貴方と同じ、普通に生まれたかった2 【北信介】【呪術廻戦】 (ページ12)

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夜の7時過ぎ。
ご飯を食べ終え、本当にそろそろ帰ろうとした時だった。

「あ、あの！！」

『…？』

オレンジ色のツンツン癖毛の男の子に話しかけられた。

「さ、さっきから気になってたんすけど！どちら様ですか？潔子さんのお知り合いですか？」

『知り合い…と言っても、今日初めて会ったんだけどね。なりゆきで一緒にカレー作ったの。』

「！カレー！さっき食べたやつっすか？！美味かったです！ご馳走様でした！」

『…いえ。』

礼儀、正しい子だな。素直そうだ。

「バレーに興味はありますか？！」

興味…か。ないといえば嘘になる。

信ちゃんのバレー。昔よく見てた。

小学校の体育館で友達とやってたな。私はそれを見るのが好きだった。

信ちゃんは、どこまでも丁寧で、努力を怠らない。

気を、手を抜くことはない。

そんな姿が誰よりもかっこよくて、誰よりも、好きだった。

『そうだね。興味、というのかわからないけど、バレーを見るのは好きだよ。』

「！なら、少しだけ！見ていきませんか？！俺、これから他校の先輩たちとバレーするんで！」

少し…ならいいかな。

『いいよ。でも邪魔にならない？』

「ならないっす！」

そして私は、少し離れた第三体育館というところへ向かった。

その道中、彼と簡単な自己紹介と、そこにいる人たちの話をした。

中でも1番、トサカ頭が気になった。

＊

「…チビちゃん。一体誰を連れてきたのかな？」

「へいへいへーい！日向やるなー！」

「「……」」

トサカだ。本当に、トサカが居る。

「すみません！連れてきてしまいました！」

『…邪魔なら帰るよ？ごめんね。』

「ちょっと待ってクダサイ。俺は一言も邪魔だなんて言ってないですヨ？」

トサカが喋った。

「聞いてます？オネーさん？」

『…あ、ごめんね。トサカが本当にいたから、びっくりしちゃった。』

「ん？トサカ？」

「あ、！虹さん？！」

『あ、ごめん、ダメだった？』

「ちょーーーっとチビちゃん。あとでゆっーーーくり聞こうか？」

「さ、さーせん！」

彼にトサカは禁句だったらしい。

「ちなみに寝癖ですからね？」

寝癖…、何故直さない？