また俺は ページ2
北信介side
あの夕陽に照らされた君の顔を、俺は忘れない。
俺が子供の頃から想い続けた、最初で最後の初恋。
今度こそ、伝えたい。
次に会ったら、必ず伝える。そう、決めていた。
また俺は、遅かった。
どうして、あの時言わなかったんや。
そして、後悔が増えた。
*
月曜日。
お昼の時間、俺は虹を迎えに治たちがいる教室へと向かった。
早く、顔が見たい。
早く、声を聞きたい。
足取りがいつもより軽くなる。
こんなにも俺は、虹のこと好きなんやな。
自分でそう思い、照れてまう。
顔が熱い。
「失礼するで。虹、おるか?」
窓側の後ろ、そこへ視線を移す。
彼女の席に、彼女は居なかった。
「治。虹は?」
「え、あ、北、さん…。」
「?なんや?どうかしたん?」
「え、北さん、知らないんですか?」
「なんのことや。はっきりし。」
「…虹ちゃん、転校したんですよ。今日いきなり。」
「は?」
俺は、何も、聞いていなかった。
嘘や。やって、金曜日は何も…。
「それ、ほんまか…?」
「はい。朝、先生が言うてはりました。」
俺は、時間が止まったように、動けなくなった。
「…北さん。場所、移しましょう。…ツムと角名も呼んできます。」
「あ、ああ。」
返事をしたのか、わからない。
それ程までに俺は、わからなかった。
421人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:杏 | 作成日時:2021年12月6日 13時