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また俺は ページ2

北信介side



あの夕陽に照らされた君の顔を、俺は忘れない。

俺が子供の頃から想い続けた、最初で最後の初恋。

今度こそ、伝えたい。

次に会ったら、必ず伝える。そう、決めていた。





また俺は、遅かった。


どうして、あの時言わなかったんや。

そして、後悔が増えた。









月曜日。


お昼の時間、俺は虹を迎えに治たちがいる教室へと向かった。

早く、顔が見たい。

早く、声を聞きたい。


足取りがいつもより軽くなる。

こんなにも俺は、虹のこと好きなんやな。


自分でそう思い、照れてまう。

顔が熱い。





「失礼するで。虹、おるか?」


窓側の後ろ、そこへ視線を移す。


彼女の席に、彼女は居なかった。


「治。虹は?」

「え、あ、北、さん…。」

「?なんや?どうかしたん?」


「え、北さん、知らないんですか?」

「なんのことや。はっきりし。」



「…虹ちゃん、転校したんですよ。今日いきなり。」


「は?」

俺は、何も、聞いていなかった。


嘘や。やって、金曜日は何も…。


「それ、ほんまか…?」

「はい。朝、先生が言うてはりました。」


俺は、時間が止まったように、動けなくなった。



「…北さん。場所、移しましょう。…ツムと角名も呼んできます。」


「あ、ああ。」

返事をしたのか、わからない。

それ程までに俺は、わからなかった。

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作者名: | 作成日時:2021年12月6日 13時

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