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「貴様らはわが愛し子のおかげで生きてられている。そのことをゆめゆめ忘れるなよ」
いーちゃんは後ろから抱きつきながら目の前にいるジジイどもにそう告げる。
そんなジジイどもを見ながら私は首に回されたいーちゃんの手をぎゅっと握った。そしてゆっくりと口を開く。
「…私は呪術師として生を終える。誰かと籍を入れるつもりはないし、もちろん子を残すつもりもない」
「なっ…!」
「貴女その意味がどういうことか分かって言ってるの!?」
「分かってるよ、当たり前でしょ。
この際だからはっきり言わせてもらう。私の代で神代は終わりだ。神代が長い間求めてきた"永生"も手に入れることなく終わる」
「…お嬢様。そろそろ」
私が言い放ったのと同時にタイミング良く襖が開き、使用人がそう告げた。それを聞いた私は五条の手首を掴みその場から去ろうとする。
そして部屋を出る前にジジイどもの方を向きこう言った。
「まあ、せいぜい残りの生を謳歌するといい」
「ちょっと、待ちなさ___!」
名前も知らないババアの声を無視して私は襖を閉める。深くため息をつき、襖から手を離すといーちゃんは再び私を抱きしめ頭を撫でた。
「今のはなかなか良い顔をしておったぞA」
「うーん、それは喜んでいいのかなぁ」
「わえが言ってるのだ素直に喜べ。それで?どうした悟、そんな呆けた顔をして」
「…いや、随分古風な喋り方するのな伊邪那美」
「何を言うこれが本当のわえだ。いつもはお母さんもーどというやつだ。幼い頃のAには母という存在が居なかった故、わえが母になってやろうと現代の母を色々と調べた結果染み付いてしまってな」
「一応神なんだけどな、わえ。まあ愛し子の為ならこんなの朝飯前というやつよ」 笑いながら五条にそう言ういーちゃん。すると使用人が私に声をかけてきた。
「お嬢様」
「うん、分かってるよ。
五条を客間に案内して。コイツ甘い物好きだから適当に屋敷にある甘いもの出しといて」
「承知致しました」
「じゃ、私行くから。大人しくしててよね」
「…わかってるっつーの」
五条はそう言った後、使用人と共に客間へと向かう。それを見届けた私は"神託"の準備へと取り掛かった。
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ゆかり(プロフ) - 2の完結と続編お疲れ様です!めちゃくちゃ面白くて好きです!(唐突な告白)イラストも素敵で見入ってしまいました。アイビスで描いているとおっしゃっていましたが、指で描いているんですか?それとも何か専用機器を使用しているのですか?よければ教えてください! (2021年8月14日 3時) (レス) id: d69ff754f7 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - この作品めっちゃ大好きです!これからも更新頑張ってください!! (2021年4月5日 2時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
舞香(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです…!両儀式もめちゃくちゃ推してるので、好きな要素しかない作品です!更新頑張ってください! (2021年3月31日 6時) (レス) id: 26fd9ad117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コンペーと | 作成日時:2021年2月5日 0時