#. 62 ページ16
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「それに、お前の心臓を見つけ出すのに、"死"を視すぎた」
奥歯を噛み締め、顔を歪めながら私は自分の手を見る。
自分の眼球を潰したくなる程のおぞましい光景。
"死の線"を見続けているとその線が切り刻まれて、私の手がバラバラになるのが見える。
"死"を視すぎたせいで、その生命の朽ち果てる姿も見えるようになってしまった。
「ふざ、ケルな…フざケるナ！！嫌だ嫌だ死にタくない！！」
「…死から逃れられる命なんてないんだよ。運が悪かったな、祓いにきた人間の中に私がいて」
そう言いながら私は呪霊に近付き"点"から懐刀を抜いた。
呪霊は消えていき、それと同時に領域はガラスのようにパリンと割れ崩れていく。そしてそのまま私は瓦礫の山へ落ちていく。
「おわ、った」
瓦礫の上に落ちた私は大の字になり術式を解いた。もう指先ひとつも動かせない。
つーか、500人以上行方不明なら一級じゃなくて特級に行かせろや。
…けどまあ、今特級は九十九さんと五条しかいない。言い方悪いけど九十九さん海外でブラブラしてるから、実質日本にいる特級は五条ひとりだけだ。
「あいつも、ひとりの人間だもんな。特級になって、ただでさえ忙しいだろうに…」
それでもこれは絶対昇級査定の任務のレベルじゃない。上のクソジジイ共に文句言ってやろ、そうしないと私の気が済まない。
そんなことを思っていると手が震え始め、体から一気に熱が引いていく。
「…やば……寒っ…」
そうか、私死ぬんだ。
あーあ、クソジジイ共に文句言ってやりたかったなあ。地獄で呪ってやろ、絶対呪ってやる。
…駄目だ、眠くなってきた。
クソみたいな家に産まれて、クソみたいな人生しか歩んでこなかったけど
「…うん。でも、楽しかった」
頭に浮かぶのはいーちゃんと過ごした日々と、高専で過ごした数年間。
楽しかった日々を思い出しながら、私はゆっくりと目を閉じた。
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ゆかり(プロフ) - 2の完結と続編お疲れ様です！めちゃくちゃ面白くて好きです！(唐突な告白)イラストも素敵で見入ってしまいました。アイビスで描いているとおっしゃっていましたが、指で描いているんですか？それとも何か専用機器を使用しているのですか？よければ教えてください！ (2021年8月14日 3時) (
レス) id: d69ff754f7 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - この作品めっちゃ大好きです！これからも更新頑張ってください！！ (2021年4月5日 2時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
舞香(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです…！両儀式もめちゃくちゃ推してるので、好きな要素しかない作品です！更新頑張ってください！ (2021年3月31日 6時) (レス) id: 26fd9ad117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コンペーと
| 作成日時：2021年2月5日 0時
