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#. 60 ページ14

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『私の中で、お前が果てるのはまだ先だった。お前はここで死ぬべき人間じゃなかった。
…やはり何があるか分からんな、人の生は。諸行無常とはこのことよ』









私の傍を浮いているいーちゃんは物悲しげに微笑みながらそう言った。そんなのはお構い無しに呪霊は私に攻撃を仕掛けてくる。









『最期の別れくらいゆっくりさせんか、阿呆め。
八雷神(やくさのいかづちのかみ)よ、少しの間相手をしてやれ』









するといーちゃんは八匹の大きな蛇、八雷神を呼び出し呪霊の元へ向かわせた。
呪霊の元へ向かった八雷神を見ているといーちゃんは私の頬を両手で包み目を合わせる。









「いーちゃん、喋り方初めて会った時に戻ってるね」

『なんだ、まだこの喋り方は怖いと言うか?』

「ううん、違うよ。懐かしいなって」









そう言いながら私の両頬を包んでいるいーちゃんの手に自分の手を重ねる。

私の頭を撫でてくれた手。
私を抱きしめてくれた手。









「いーちゃんが一緒にいてくれたから寂しくなかった。いーちゃんがいてくれたから私は今日まで生きてこられた。
ありがとういーちゃん。ありがとう、私の神様」

「___ああ、A。愛すべき人の子よ。
共に、黄泉の国へ堕ちようぞ」









いーちゃんは声に出しそう言いながらゆっくりと私の額に口付け、私の中へと消えていく。
そして八雷神たちも消え、呪霊の攻撃は私の元へとやってくる。









「いーちゃんがいるなら、何も怖くないね。
…うん。黄泉の国も悪くない」









地面に刺してあった呪具を手に取り、私に向かってくる触手を見据える。
見えなくなっていた"死の線"ははっきりと見えるようになっている。

そして私はその場で薙刀を振りかざし、触手に浮かび上がっている"死の線"を切った。









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ゆかり(プロフ) - 2の完結と続編お疲れ様です!めちゃくちゃ面白くて好きです!(唐突な告白)イラストも素敵で見入ってしまいました。アイビスで描いているとおっしゃっていましたが、指で描いているんですか?それとも何か専用機器を使用しているのですか?よければ教えてください! (2021年8月14日 3時) (レス) id: d69ff754f7 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - この作品めっちゃ大好きです!これからも更新頑張ってください!! (2021年4月5日 2時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
舞香(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです…!両儀式もめちゃくちゃ推してるので、好きな要素しかない作品です!更新頑張ってください! (2021年3月31日 6時) (レス) id: 26fd9ad117 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:コンペーと | 作成日時:2021年2月5日 0時

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