2人のお兄ちゃん 7

ﾔｷﾆｸからのﾔｷﾓﾁ ページ30

ｹｲｼﾞ side



ｵﾐとのﾄﾞﾗﾏを頑張ってみると言った萌云に



｢この仕事、受けるならもう少し、飯食わねーとな｣



なんてｵﾐが、言葉を掛ける。



｢食べてるじゃん｣



｢いや、食ったうちに入らねーよ(笑)｣



そんな風にじゃれ合う2人を見ていたら、悪戯心がﾑｸﾑｸと湧き出した俺。傍にいた萌云の頭を撫でながら、



｢ちゃんと、食うんだよな？…今日は3人で焼肉な？｣



お肉があまり好きじゃない萌云が、嫌そうな顔をしてる(笑)。



｢お、いいじゃん。いっぱい食べてきな(笑)｣



俺の意地悪に、ﾋﾛさんも便乗する。



｢ﾋﾛさんまでー。萌云に食べて欲しいなら、萌云の好きなのにしてよー｣



｢じゃあ、なになら食うんだよ(笑)｣



｢…｣



的確なｵﾐの言葉に、食に興味のない萌云は黙り込む。



｢何も無いなら、焼肉でいいじゃん(笑)｣



そんなｵﾐの言葉に、ちょっとむくれた萌云が、言葉を放つ。



｢いいけど…無理にお肉食べさせないでよ？？｣



いや、萌云？それだと趣旨が変わってるからね？



みんなして、意地悪しなくてもいいじゃん



そっぽ向いてぶつぶつ言ってる萌云に、俺らは目を合わせて、吹いちまった(笑)。



｢ほら、冗談だよ。折角3人揃ったんだから、萌云の好きなもの食べに行こう？｣



｢そうそう、無理して肉食っても、身にならねーしな。で、今日の萌云は何を食べたい気分なの？｣



そんな、俺らの言葉を聞いても、ﾑｯて聞こえてきそうなほど、頬をふくらませたままの萌云は何も答えない。



｢へーぇ。ちゃんと食べない子には、ﾃﾞｻﾞｰﾄなしだなー｣



｢ﾁｬﾝﾄ ﾀﾍﾞﾙﾓﾝ｣



拗ねてても、ﾃﾞｻﾞｰﾄには反応する萌云(笑)。



｢じゃあ、何か食って帰るか？｣



｢…｣



俺のそんな言葉にも、意地悪し過ぎたのか何も言わない萌云。



｢どーした？｣



｢ん…｣



｢思ってること言ってみな？｣



優しい笑顔のｵﾐに、顔を覗きこまれた萌云が、諦めたかのように口を開く。



｢萌云、ごはん作るから…帰ろう？3人で、ﾕｯｸﾘ…ｼﾀｲ｣



ん？



｢食べに行くと、ゆっくり出来ないってこと？｣



ﾋﾛさんが、俺と同じことを思ったみたいで、萌云に問いかける。普通、家帰って飯作る方が、ゆっくり出来ないじゃん？



｢だって…｣




ん？




｢お料理運んで来るお姉さん達とお喋りしたり…ﾐﾀｸﾅｲﾓﾝ｣



そんな可愛い妹のﾔｷﾓﾁを知った俺らは、まっすぐ家に帰ったのでした。

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