2人のお兄ちゃん 4

呪文 ページ7

ｵﾐ side



結局、希愛は事務所に行くとは言わなかった。今は落ち着いていて、ｳﾄｳﾄしている。そんな時兄ちゃんに、ﾋﾛさんから電話がかかってきた。



電話を終えた兄ちゃんは



｢ﾋﾛさんが、明日 希愛を連れてこいって。で、ｵﾐも朝から車に乗って来いってさ｣



｢俺、昼過ぎからなのに？｣



｢そんな状態なら、寝れないだろうって。俺は寝て仕事。ｵﾐは、希愛の傍に居てやって、事務所で仕事まで寝ればいいって｣



｢仕事の間は？｣



｢希愛は、ｾｶﾝﾄﾞに任せればいいらしい。三 代 目は事務所に集合だから、こっちに来てから寝るんならｷﾞﾘｷﾞﾘまで寝れるだろ？ってさ｣



｢変な時間に寝たら、起きれない可能性あるもんな。事務所で寝た方が、安心か.......おっけ｣




｢寝れるか分かんねーけど、寝てくるわ。希愛の事頼むな？｣



｢了解｣



正直、こんな希愛を見たら、簡単には寝れないと思う。けど、寝不足でﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽしたら、怪我をするﾘｽｸも増える。兄ちゃんが少しでも寝れたらいいんだけど.......



俺はと言うと、希愛が寝てる時はｳﾄｳﾄして、震えが止まらない時は、抱きしめて呪文のように大丈夫だよって言葉をかけた。



そういや、三 代 目ﾒﾝﾊﾞｰのｸﾞﾙｰﾌﾟﾗｲﾝが凄い事になってる気がする.......。



見てみると、物凄い通知の件数で、どれも希愛を心配するものだった。



遅くなってすみません。希愛自身、骨折はしてないのですが、打撲により左半身のあちこちが腫れている状態です。詳しくは明日話しますが、精神的にやられてて、熟睡出来ない状態のため、俺も、希愛も一緒に、朝からｴｸﾞｻﾞｲﾙさんの車で事務所に行ってます。事務所で寝た方が安心だろうという、ﾋﾛさんの計らいです。もし、時間になっても起きなければ、起こしてください。お願いします。



そう送っておいた。すぐに人数分の既読が付いて、



ｵﾐ、無理すんなよ？とか、了解。起こしてやるから、時間を気にせず、少しでも寝てなよ？とか気遣ってくれるﾒｯｾｰｼﾞが入ってた。



ﾒﾝﾊﾞｰが温かくて、俺はこの人たちと同じｸﾞﾙｰﾌﾟで本当に良かったと思った。



ありがとうございます



それだけ送って、ﾗｲﾝを閉じた。



希愛が少しでも寝れる事を願ったんだけど、残念ながら、その後すぐに 目を覚まし震え出した。そんな希愛をそっと抱きしめ、呪文を唱えた。

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