甘えたな夜 ページ49
オミ side
飯を食った後、そそくさと片付け始める希愛。
希愛のノートには、希愛らしい言葉が並んでいた。俺は別に、変だとも思わねーけど、どうも納得出来ないらしい。どこがどう気に入らないのか、聞きたいのに、キッチンから戻ってこない。
「希愛片付けありがとね。もう終わる?」
「うん。あと少し.......」なんて言うから、キッチンに見に行くと、野菜を切ってる。ん?明日の朝ごはんの下ごしらえなのか?どれだけ話したくないんだよ(笑)。っていうか、この話をしに来たんじゃねーの?
「なぁ?あれ、アツシさんに見てもらったら?」
「それは無理.......」
キッチンで強引に話し始めた俺に、野菜を切りながら、絞り出すように答えた希愛。
「どうして無理なの?」
やっと、野菜から目を離して、俺を黙って見上げる希愛の目は、凄く弱々しくて.......。
「希愛から出てくる言葉は、アツシさんがいつも歌うお歌みたいに、かっこよくならない.......。無理なんだよ」
「はい、希愛?ここ片付けよ?」
「え?でも.......明日の朝.......」
「それはいいから、ここ片付けて、お兄ちゃんとお話しよ?」
「う.......ん.......」
「よし、いい子」
キッチンを片付けた希愛の頭を撫でてから、手を取りリビングに連れてくる。
「さて、おバカな希愛ちゃん?今日は詩のことは忘れて、ここに居なさい」
自信を持てず、甘えたになってる希愛を腕の中に閉じ込めてると、遠慮がちに抱きついてくる。
「寂しかった?」そう聞けば、素直にコクンと頷く。そんな希愛は可愛いけど少しだけ.......ね(笑)
「希愛?甘えたい時は、我慢しないで甘えな?ま、嘘ついてでもちゃんと、ここに来たことは褒めてやるけど」
「どうして、分かったの?」
って、俺の胸に顔を埋めながら、聞いてくる希愛。何年、希愛のお兄ちゃんしてると思ってんだよ(笑)
「ほら、今日は何も考えないで、寝な?」
「うん.......」
頭を撫でながら、小さな声で、希愛が好きな歌を歌ってやると、すぅーーーっと寝息をたて始めた。ぎゅっと、俺の服を握ってる希愛が、たまらなく可愛い。
さ、希愛のノートは、写メってあるから、詩の事は、アツシさんにお願いしよう。そのまま使うにしても、手を加えるにしても、一緒に歌うアツシさんと話すべきだからね。ま、その手回しは明日でいっか。
さ、俺も寝よう。おやすみ。
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美紀(プロフ) - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年3月24日 14時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mia | 作成日時:2019年2月23日 7時