最初で最後のキスをしましょうか。 (ページ5)

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キスをページ5

･

「ここに居てね。絶対、出てきちゃダメだから。これは僕との約束ね」

何も飛ばないような場所に君を隠して僕の服をかける。何も見ないように、ね。

「居たぞ！ここだ！今日こそお前をころしてやる」

「どうとでも言えばいい。僕は吸血鬼だ。お前ら人間なんてすぐにころせるさ」

なんて言っても、僕はここで死ぬつもりだからいいのだけれど。

「やれ！！！」

銃でバンバンと撃たれていく。もう何百年と生きたし、痛みは感じないし、どの道心臓を打たれない限りは死なないし。

何か反応しないといけないから近づきすぎた人間にはほんの少しばかり怪我をおわせる。

ポタポタと僕の周りに血がたまる。そろそろ僕も死ねるかな。

ごめんね。何を言わずに死んで。

「Aっ！！大丈夫か!?」

「お父様……っきゃぁ！」

「少しばかりお嬢様をお借りするとしよう」

「っ貴様ァ！！！」

僕は君を父親から奪い、窓から落ちる。奪った時に心臓を撃たれたみたいだ。

「！！血が！」

「もういいんだよ。僕は幸せになって欲しいんだよ。今世はこんな形でお別れだけど来世はまた僕が会いに行くよA」

もう、声が聞こえない。

もう、姿が見えない。

けど、微かに君の、Aの温もりを感じる。

さようなら、A