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僕は
だから、君をこの館に隠して一緒に住むなんてしちゃいけない。ましてや、この想いに気づくなんてダメなんだ。
だから、僕は君を裏切る。
あれからひと月の月にが経った。
そろそろ僕を倒しに人間が来る。その時に君を人間たちの方に返すよ。
「今日は満月なのね。すごく綺麗」
「………そうだね。ねぇ、もうすぐここに人間が来る。だから、僕の話…聞いてくれる?」
君がなんと言おうと、僕は、僕自身の話をするんだけど。
「僕は、吸血鬼なんだよ。ほら、犬歯も尖ってるし、瞳も赤い。僕は人間の血を吸って生きる
お願いだから、その綺麗な口から何も言わないで。
「僕は、」
「居たぞ!!!バケモノだぁ!」
「よくも私の娘をさらってくれたなぁ!!しね!」
ほら、もう来ちゃったみたい。最後に想いを伝えることも無く僕は死んでいくから、それまで僕に付き合ってね。
「お、父様、なんで…」
「ほら、愛されているだろう?」
そう言いながら僕は君を姫抱きにして暗闇へと消えていく。その後ろを人間達が着いてくる。君は僕を見つめて口を開く。
「本当に、貴方は吸血鬼なの?
「うん。だから、お父様のいる場所で血を飲んでも、いいんだよ」
想いを伝えられないからせめて、悪役になって君に幸せになって欲しいんだ。
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るむ(プロフ) - とても素敵なお話でした! (2020年4月3日 9時) (レス) id: 815f0f11e3 (このIDを非表示/違反報告)
強がりネコ(プロフ) - 綺麗なお話でした!!ありがとうございます!! (2020年3月28日 22時) (レス) id: 1ac086556f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きぃーちゃん@ぶどう | 作成日時:2020年3月28日 13時