貴方と同じ、普通に生まれたかった【北信介】【呪術廻戦】 (ページ9)

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再会ページ9

18歳になった。

私は、呪術高専の四年生へ進級した。

あのサングラスの白い髪の大男、五条悟は私の学校の先生になった。

クラスの担任でもない為さほど関わることはないが。

私はたくさんの任務をこなし、その稼いだ金で、兵庫の、家族と暮らしていた家を買った。自分の家のはずなのに。

四年生になると、授業よりも任務が増えた。

そして卒業し、一人前の呪術師となれば私は赤崎家の当主となる。

赤崎家は、御三家に次ぐ名家らしい。

どうでもいい。

そんなもの、いらない。

少しして、呪術界をあるニュースが騒がせた。

両面宿儺を食った少年が現れた。

なにそれ、はは。

きっしょ。

まあどうでもいいけど。

そいつがもうすぐ、高専に来るらしい。

一年生らしいから関わることもないだろうけど。

私が幼い頃、お化けだと思っていたのは呪霊だった。

そして今はそれを殺す、祓うのが仕事。

何をしているんだろうな、私は。

本当なら、今頃信ちゃんと一緒に普通の高校に通っていたはずなのに。

本当なら、今日もお父さんとお母さんと一緒にご飯を食べれたはずなのに。

戻ることのない日を勝手に夢見て、1人虚しくなる。

会いたいよ、信ちゃん。

だけど私は彼に会うわけにはいかない。

きっと揺れてしまう。

決別したはずの心は未だに簡単に還ってしまう。

復讐のためにあなたに会うわけにはいかない。

その為にこの10年、なにをした。

そんな時、私の元に一つの任務が下る。

〈兵庫の稲荷崎という高校で原因不明の呪霊がいる。その調査と呪霊を殺せ。〉

兵庫。

私がかつていた場所。

懐かしさを感じつつも任務ということに緊張感を増す。

『今回も、生きて帰れるといいけど。』