貴方と同じ、普通に生まれたかった【北信介】【呪術廻戦】 (ページ25)

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日常6 ページ25

何故こうなった？

今日も私は1人で、決まった場所でご飯を食べながら猫とたわむ…本を読むつもりだったのに。

信ちゃんと、確か…宮侑と言う金髪に屋上に連れて来られた。

信ちゃんは昔から静か。一緒にいて心地が良い。

なのにこの金髪はとにかく喧しい。

突然無理矢理手を引かれて意味がわからない。

『呪霊だったら殺してた。』

と、ぼそっと呟いてしまった。

「よっしゃあ！今日の弁当はオムライスやぁ〜！！」

弁当一つにこの反応。まるで子供。いや子供だったな。

「侑、その前にいただきますやろ。」

「いただきます！うっま！さすがオカンのオムライスは絶品やなあ！」

「いただきます。」

信ちゃんは、昔から変わらない。

挨拶は欠かさない。
ちゃんと手を合わせる。

私も昔はよく言われてたっけ。
この2人を見ていると、まるで昔の私たちみたい。

懐かしいな。

「おふぁえ、くわふぇんのか？」

『…？』

「口に入れたまま話すな。行儀悪いで。」

「さ、さーせん！」

それ、私も言われたことある。

「お前、食わへんの？弁当は？」

『…食べるから。』

巾着から、カロリー○イトと、飲料ゼリーを取り出す。

「お前、…まさかそれだけか？嘘やろ？」

『だめですか？私はこれで充分。』

弁当なんて、最後に食べたのはいつだろう。

ちゃんとした食べ物を食べたのは、いつだろう。

「虹。だめや。それじゃ栄養取れへんよ。健康にも悪い。俺の半分分けてやるから、食べ。」

信ちゃんが、開けた弁当の中には、ハンバーグ。

あ、これ、豆腐ハンバーグだ。
信ちゃんのお婆ちゃんの手作り。

私と信ちゃんは、これが1番好きだった。

『結構です。栄養や健康のことなら問題ない。私は5年ほどこれしか口にしていないが、今のところ平気だから。』

隣で金髪がむせた。

「ご、ご、5年やと？！お前、よう生きとるな？そんなもん、食いもんやないで？！」

「…虹。口開け。」

『要らない。必要ない。』

だけど信ちゃんは無理矢理、私の口の中につっこんだ。

口の中に染みる、懐かしい味。

『…美味い…。』

「せやろ？婆ちゃん特製豆腐ハンバーグや。お前も好きやったろ？」

うん、好きだった。大好きだった。

あなたのことが。

「北さん、お知り合い、だったんですか？」

「せや。俺と虹は幼馴染や。」

やめて。

『違う。違う！』

「へ？」

『私と、貴方は、幼馴染じゃない！他人だ！二度と、二度とっ、…私に、関わるな。』