日常4 ページ23
宮侑side
なんなんあの女！
俺のこと見て無表情って！
こんなこと、初めてや。
てかあの眼帯もなんや。厨二病か？
隣のクラスに変な転校生が来たってみんな噂しよるし、サムと角名に聞いても直接確認さえとしか言われへんから態々来よったのに！
なんなんあの態度！
決めたで！
次はお昼ご飯一緒に食べへんか？作戦や！
あ、今誰や！そのまんまやん思ったやつ！
よーし、作戦、決行や。
＊
お昼のチャイムと同時、俺は教室を飛び出し、隣の教室へ行く。
周りの女子たちが騒ぎ始めた。
そうや、これやこれ。
やけどあの女は、こちらを見向きもせん。
「おい、お前！め、飯、一緒に食ってやってもええで！！」
『……』
む、無視やと？無視、されたんか？俺、
「聞いとるんか！お前や、お前！」
肩を掴み、無理やりこちらを向かせる。
そいつの、赤い目が俺を映した。
サムが言っていた林檎のような瞳。
「き、綺麗やな…」
お、俺いまなんて言うた？綺麗、？
ちゃうちゃう！
「お、お前、どうせ1人で食ってんのやろ？なら俺が一緒に食ってやってもええで？嬉しいやろ？」
『…別に。結構です。離して下さい。』
「か、可愛くない女やなあ？遠慮せえへんでええのやぞ？」
『遠慮も承諾もしてません。結構です。さよなら。』
こ、この女〜っ！
「ツム、やめえや。嫌がっとるやん。」
このアホサム！お前どっちの味方や！
「いいや、俺は決めたんや！お前の名前聞くまではこの手離さへ『赤崎虹です。名乗りました。さよなら。』な！」
「侑、完全に振られてる…っ。ｵｯﾎﾎ。」
角名ぁ。覚えとけ…
「虹！お前は俺と今日飯食うんや！それは決まったことや！今俺の中でな！」
『勝手に決めないでくれますか？私は貴方とお昼を共にする理由もない。私は静かなところが好きなんです。貴方は騒がしくて仕方がない。迷惑です。さよなら。』
「おーおー、よう喋るやんか。その調子でいこか？ほんで、どこで食おうか？」
『ですから、私は1人で静かなところで「せや！屋上はどや！あそこはあまり人来おへんし、静かやろ！きまりやな！」聞いてますか？』
「俺が案内したる！」
俺は手を引き、教室を出た。
1人何か呟いた声が聞こえた気がしたけど、聞こえへんかった。
「屋上は気持ちええで！ラッキーやなあ！」
途中、北さんに会った。
「北さん！こんちゃっす！」
「あ、ああ、侑…その子…」
「俺の友達です！」
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作者名：杏 | 作成日時：2021年10月22日 14時
