再会5 ページ13
全ての授業を終え、特に何もなかった。
変な呪力を感じることもなかったし、呪霊もいなかった。低級ならいるけど。
態々私が手を下すほどでもない。
帰ろう。
そう思った時だった。
「なあ、虹ちゃん。」
隣の席の男に声を掛けられた。
『…何?』
無視すればよかったなと後悔した。
「この後、なにするん?」
『…帰るけど。』
そんな事を聞いてどうするつもりだろう。
「そうなんや。ならバレー見に来ぉへん?暇なんやろ?」
暇?誰が暇だと言った?
『悪いけど、暇ではない。さよなら。』
「あ、ちょ、待てや!あ〜。帰ってもうた。」
男の子の声を無視し、私は教室を出た。
*
宮治side
今日、俺のクラスに変な女が転入して来た。
最初は、周りのやつらも騒いどった。
男は可愛いだとか、綺麗だとか言っとった。
女子は、目つきが変わって少し怖かったな。
だけどそんなざわつきも一瞬にして消えた。
『よろしくお願いします。』
自己紹介もせず、淡々と用意された席へ行く。
明らかな、拒否だった。
まるで、俺たちとは仲良くするつもりなどないように。
その変な女はまさかの俺の隣の席で、まあ一応挨拶しとくか思て、挨拶した。
息が、止まるかと思った。
その女の目は赤く、まるで林檎みたいやった。
美味そうやなあ。
本能か、そう思ってしまった。
美味そうってなんや、アホらし。
女はずっと寝とった。
こいつ、大丈夫なんか?
人のこと言えへんのはわかるけど流石に心配した。
昼になって、女はすぐ教室から出た。
まあ、気持ちはわかるな。他クラスからも女を見に集まってきよる。俺でも出るわ。
でも何故か女のことが気になって仕方なかった。
時間を置いて、角名よりも先に食べ終わって暇やし女を探しに行った。
校舎の裏、人気のないそこに、いた。
女は、猫と戯れていた。しかも。
「笑っとる…。」
教室では一度も笑いもしなかったのに。
「なんや、笑えるやん。」
猫が羨ましいと思ったのは秘密や。
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作者名:杏 | 作成日時:2021年10月22日 14時