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再会5 ページ13

全ての授業を終え、特に何もなかった。

変な呪力を感じることもなかったし、呪霊もいなかった。低級ならいるけど。


態々私が手を下すほどでもない。

帰ろう。


そう思った時だった。


「なあ、虹ちゃん。」


隣の席の男に声を掛けられた。


『…何?』


無視すればよかったなと後悔した。


「この後、なにするん?」

『…帰るけど。』




そんな事を聞いてどうするつもりだろう。


「そうなんや。ならバレー見に来ぉへん?暇なんやろ?」


暇?誰が暇だと言った?


『悪いけど、暇ではない。さよなら。』

「あ、ちょ、待てや!あ〜。帰ってもうた。」

男の子の声を無視し、私は教室を出た。





宮治side

今日、俺のクラスに変な女が転入して来た。

最初は、周りのやつらも騒いどった。
男は可愛いだとか、綺麗だとか言っとった。
女子は、目つきが変わって少し怖かったな。

だけどそんなざわつきも一瞬にして消えた。

『よろしくお願いします。』

自己紹介もせず、淡々と用意された席へ行く。

明らかな、拒否だった。

まるで、俺たちとは仲良くするつもりなどないように。

その変な女はまさかの俺の隣の席で、まあ一応挨拶しとくか思て、挨拶した。




息が、止まるかと思った。



その女の目は赤く、まるで林檎みたいやった。



美味そうやなあ。


本能か、そう思ってしまった。


美味そうってなんや、アホらし。






女はずっと寝とった。

こいつ、大丈夫なんか?


人のこと言えへんのはわかるけど流石に心配した。









昼になって、女はすぐ教室から出た。


まあ、気持ちはわかるな。他クラスからも女を見に集まってきよる。俺でも出るわ。



でも何故か女のことが気になって仕方なかった。



時間を置いて、角名よりも先に食べ終わって暇やし女を探しに行った。




校舎の裏、人気のないそこに、いた。









女は、猫と戯れていた。しかも。





「笑っとる…。」

教室では一度も笑いもしなかったのに。


「なんや、笑えるやん。」


猫が羨ましいと思ったのは秘密や。

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作者名: | 作成日時:2021年10月22日 14時

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