再会3 ページ11
『よろしくお願いします。』
「ええ、よろしくお願いしますね。赤崎さん。」
校長、という人に挨拶をする。
私が呪術師と言うことを知っているのは担任と、校長だけ。
それ以上は知る必要はない。どうせ私はすぐにいなくなるのだし。
あなた方の記憶に、思い出に、私が残る必要はない。
「あなたのクラス、2年1組はとても楽しいクラスですよ。少しの間だとしても、楽しんで下さいね。」
担任にそう言われる。
『…お構いなく。私はこの学校の人間と馴れ合うつもりも、親しくする気もない。私はただ、祓うだけ。それが仕事です。楽しむだけに来たのではない。』
「…貴方は、まだお若いのに、しっかりしてますね。だけど、貴方も私の生徒です。ちゃんと構いますからね。」
『……。』
世話好きなのだろうか。
構わないで欲しい。ほっといて欲しい。
*
教室へ着く。とてもざわざわとしていた。
…煩いところはあまり好きではない。
「はーいみんな!静かにせえ!今日は転校生を紹介すんで!」
あたりがさらにざわつく。
もう、やめてほしい。
「東京から来た、赤崎虹さんや!ほらみんな拍手!」
拍手が起きる。そんなものいらないのに。
「では、虹さん、自己紹介頼めるか?」
『…よろしくお願いします。』
「え?」
「は?」
周りの態度がいっぺんした。
そらそうだろうな。馴染む気もない転入生なんて。異物でしかないだろう。
『…私の席、どこですか。』
「え?あ、あそこの、窓側の一番後ろ…。」
担任も予想外の事だったらしい。
まあ、どうでもいいけど。
席が端っこでよかった。人とあまり関わらずに済む。
私の席の前は目が細い、体の大きい男の子。
その隣は…さっき体育館で見た子だ。
「よろしくね、虹ちゃん。」
前の男の子に言われる。
『よろしく。』
「これからお隣よろしゅうなぁ。」
隣の男の子にも、挨拶をされた。
『よろしく。』
それだけを返し、私は机に伏せた。
授業を受ける気も受ける理由もないし。
そもそも私は高校生ではない。
それにある程度の勉強なら既に頭に入ってる。
*
いつの間にか眠っていたのだろう。
休み時間らしく、辺りはまたざわついていた。
「まじありえへんよな、自己紹介もせんへんで。」
「かわいい思うたけど、性格最悪や。」
「クールぶってるだけやないん?」
おそらく私のことであろう言葉。
まあ、どうでもいいけどね。
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作者名:杏 | 作成日時:2021年10月22日 14時