検索窓
今日:10 hit、昨日:62 hit、合計:188,370 hit

再会3 ページ11

『よろしくお願いします。』

「ええ、よろしくお願いしますね。赤崎さん。」

校長、という人に挨拶をする。

私が呪術師と言うことを知っているのは担任と、校長だけ。


それ以上は知る必要はない。どうせ私はすぐにいなくなるのだし。

あなた方の記憶に、思い出に、私が残る必要はない。


「あなたのクラス、2年1組はとても楽しいクラスですよ。少しの間だとしても、楽しんで下さいね。」

担任にそう言われる。

『…お構いなく。私はこの学校の人間と馴れ合うつもりも、親しくする気もない。私はただ、祓うだけ。それが仕事です。楽しむだけに来たのではない。』


「…貴方は、まだお若いのに、しっかりしてますね。だけど、貴方も私の生徒です。ちゃんと構いますからね。」


『……。』


世話好きなのだろうか。
構わないで欲しい。ほっといて欲しい。





教室へ着く。とてもざわざわとしていた。

…煩いところはあまり好きではない。


「はーいみんな!静かにせえ!今日は転校生を紹介すんで!」


あたりがさらにざわつく。
もう、やめてほしい。


「東京から来た、赤崎虹さんや!ほらみんな拍手!」


拍手が起きる。そんなものいらないのに。


「では、虹さん、自己紹介頼めるか?」



『…よろしくお願いします。』



「え?」

「は?」

周りの態度がいっぺんした。

そらそうだろうな。馴染む気もない転入生なんて。異物でしかないだろう。


『…私の席、どこですか。』

「え?あ、あそこの、窓側の一番後ろ…。」


担任も予想外の事だったらしい。
まあ、どうでもいいけど。




席が端っこでよかった。人とあまり関わらずに済む。





私の席の前は目が細い、体の大きい男の子。

その隣は…さっき体育館で見た子だ。


「よろしくね、虹ちゃん。」

前の男の子に言われる。

『よろしく。』


「これからお隣よろしゅうなぁ。」

隣の男の子にも、挨拶をされた。

『よろしく。』

それだけを返し、私は机に伏せた。

授業を受ける気も受ける理由もないし。

そもそも私は高校生ではない。


それにある程度の勉強なら既に頭に入ってる。




いつの間にか眠っていたのだろう。

休み時間らしく、辺りはまたざわついていた。


「まじありえへんよな、自己紹介もせんへんで。」

「かわいい思うたけど、性格最悪や。」

「クールぶってるだけやないん?」


おそらく私のことであろう言葉。









まあ、どうでもいいけどね。

再会4→←再会2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (66 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
206人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2021年10月22日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。