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再会 ページ2

降谷零side


あれから18年が経った。
たまに思い出すよ、君のことを。

もう会えるはずのない、君のことを。




◇◇◇


僕はトリプルフェイスを持っている。


ポアロ喫茶の店員並びに毛利探偵の助手としての安室透の顔。

公安に所属し、日本の平和を守る降谷零の顔。

そして、とある組織に潜入し、バーボンというコードネームを与えられた顔。




まあ、僕なら3つどころか、100の顔を演じ切って見せる。










この日、今日は人気のない港近くの廃倉庫にいた。

先程までここで公安の数少ない顔を知る部下たちとおちあっていた。



それが終わり、部下たちを見届け痕跡を消し自分もそろそろ立ち去ろうかとした時だった。


『ゼロ、久しぶり!』

「…え?」

何かの冗談か。
もう、いないはずの親友の声がした。
それだけでなく呼ばれた。


「ヒ、ヒロ…?!」


振り向こうとしたら突然、後ろから誰かに捕まれた。


首に腕を回され、背中にはおそらく拳銃が突き付けられている。


組織の人間ではないだろう。

組織の人間ならば以前のノック疑惑の時のようにメンバーの誰かから連絡が来るはず。



体格からして女か?


ならば簡単に取り押さえられる。


動こうとした時、先に口を開いたのは相手だった。



『公安の、降谷零だな?』

「…!」

何故、俺の名前を?



『お前に話がある。』

「…話の前に、この拘束を解いてくれませんか?」

『…拘束を取るのは話に応じた後だ。』


応じる、ということはこの女は俺に何か取り引きのような話があるということか。


「わかりました。話を聞きましょう。」



『…お前は今、ある組織に潜入している諜報員で間違いないな?』


「…どこからその情報が?」

『否定しないということは肯定とみなす。話を進める。』

「…自分勝手な人ですね。まあいいですよ。」

『私と、取引をして欲しい。』

「ちなみに、内容は?」

『その組織の情報が欲しい。』

「…僕にメリットは?」

『先程、私がお前を騙したように私は変声、変装が得意だ。もし何かあればそれを使い協力しよう。』

ふむ、悪くはない話だが。

この女はなんの目的で情報がほしいのか。



「何故、情報が欲しいのです?」

















『大事な人が殺されたんだ。あの組織に。私は、あいつらを必ず殺すと、仇を取ると、誓った。』

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作者名: | 作成日時:2022年5月15日 20時

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