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｢何で天文学を極めるのかって？好きだからだよ。初めて空に瞬く星を、俺たちを取り囲む天体を見上げたその日から───────
｢魔法使いは死んだら灰になる。ああ、誰でも知ってる事だ。でも俺は、彼方で輝く星になりたいんだ。そうして君たちを1番近くて最も遠い場所から末永く見守りたい。だから……俺が死んだら灰を空に撒いてくれないか？しょうがないだろ〜それくらいしか星になる方法思いつかないんだよ｣
「例えば、君は毎日同じ物を食べるか？違うだろ。いくら好物だったとしても繰り返すのは些か退屈だ。しょっぱいものと甘いものを交互に食べたくなる、アレに似てるな。つまりだ、先生も気まぐれに女になる事くらいある。喜べ、2人といない美女の天文学者だ！」
「”セレス先生は男のイメージが強いから女になっても嬉しくない”と言われ、とても悲しい。俺は……生徒達を思って………………先生病もっかな…………」
「何をぅ〜、こう見えて先生だって恋の1つや2つ余裕で経験してるとも。聞きたいか？ククク、君たちにこの話はまだ早い。」
「やあやあ紅茶部の諸君、ひと足お先にお邪魔させて貰ってるぞ。何しに？……休憩？日々気苦労のたえない先生に憩いの時間を与えておくれよ」
「え゛っ 天文学が苦手？マジに？そっかあ〜まあ難しいもんな〜気持ち分かるぞ〜。そんな悩める子羊達に先生がラブリーなプレゼントをあげよう。はいっ問題集♡一緒に頑張ろうね♡」
「──────こんな時間に出歩くとは、悪い子め。何かあったらどうする？行動にはよく注意しなさい。……うん、分かれば宜しい。なんで分かったかって？ふふん、遍く全てを視てるって言っただろ？まあ今日は本当に通りがかっただけなんだがゴニョゴニョ……コホン。減点は君の寮監に任せるとして、このまま帰すのも退屈だろう。天文学の補習でもするかい？俺の記憶違いで無ければ君は確かレッドラインの筈だ。フ、図星だな。特製マシュマロ入りココアも付けちゃうぞ〜」
「はあ〜？なんだアレ、俺の時と全然違う。いやでもあれ何年前だ……？あっ お互い……歳取ったって事か…………え、ああ先生、何でしょう。そんなまさか失礼なことなど、感傷に浸っているだけですよ」
「些か、もうガキと呼べる年齢では無いのですが……」
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作者名：やまざき | 作成日時：2020年6月29日 23時
