【H×H】純なる緋【クラピカ】 (ページ6)

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°４ページ6

「＿かといって初対面の人間の前で正直に告白するには、私の志望理由は私の内面に深く関わりすぎている。」

「呼び捨てにするんじゃねぇって、聞け、コラ!!」

レオリオの野次をものともせず、クラピカは言葉を続ける。

「…レオリオ落ち着いて。」

言い終わってからやってしまった、と気付く。…私も呼び捨てにしてしまった。

「お前ら舐めてんだろ!!」

レオリオのツッコミが響く。

「したがって、この場で質問に答えることはできない。」

「ほーお、そうかい。」

船長は私達をじっと見ていたが、クラピカの言葉を一通り聞き終えると、冷めた声で言った。

「＿それじゃお前らも、今すぐこの船から降りな。」

「どうして!?」
私が吃驚して問いかけると、彼はハッと笑った。

「オレ達みたいのが、ハンター志望者をふるいにかけるのさ。
　…すでにハンター資格試験は始まってるんだよ。」

「……」

無言でクラピカと目を合わせる。私が頷くと、彼はやっと船長を真っ直ぐ見た。

「私は、クルタ族の生き残りだ。
　４年前、私の同胞を皆殺しにした盗賊グループ…幻影旅団を捕まえるため、ハンターを志望している。」

"死は全く怖くない"と言う彼の目がさっきまでとは明らかに違う気がして、いたたまれなくなった。

「オレは金さ!!金さえあれば何でも手に入るからな!!!」

ガハハと笑うレオリオにむっとしていると、船長は顎を引いて私に合図した。

私も理由を話さなくちゃ。

「私は、」

何から言えば良いだろう、と緊張して動きがぎこちなくなる。

「ある人に認めて貰うため…?」

出たのは至極簡潔な言葉で、答えと言って良いか微妙なもの。

そんな私の雰囲気を察してくれたのか、クラピカが気を使ってくれた。

「…皆それぞれ、譲れない理由があるんだ。だが品性は金で買えないよ、レオリオ。」

そう、確かに譲れない理由。でもあやふや過ぎて、うまく説明出来ないのだ。

ありがとう、と目線で伝えると、彼は直ぐに目を反らした。

でもきっと照れくさいのだろう、と想像すると急に微笑ましくなる。

…でも、助けて貰って言うのも酷いけど、間違いなく最後の一言は蛇足だったと思う。