【H×H】純なる緋【クラピカ】 (ページ37)

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話し合っていると、唐突にあの奇術師が目の前に現れて。

｢ヒソカ!?｣

さっき別れた筈なのに、と混乱する。

ヒソカは私と目が合うと、さも自然に微笑んで、ひらりと手を振った。

…彼の考えは読めないけれど、なんだか嫌な予感がする。

｢実は、2点分のプレートが欲しいんだ♧
君たちのプレートをくれないか？｣

いつも通りの笑顔で、彼は私達に言った。

｢なんだと?｣とレオリオが怒りかけたが、それを制してクラピカが答える。

｢現在、我々は6枚のプレートを所持している。

1枚は私の、2枚は私とAの獲物のプレート。
そして、我々には1点にしかならないプレート。

さらに、レオリオとAのプレート2枚。｣

まず、確かヒソカは402番(私のプレート)はターゲットじゃないと言っていた。

だから私とレオリオは大丈夫だろうけど、でもクラピカが獲物という可能性も十分ある。

ごくん、と唾を飲み込むと、さらにクラピカは続けた。

｢この118番だけで良いなら譲ろう。だが、私のプレートは渡さない。
もちろん、他のプレートもだ。

…もしも力づくでというのなら、今度は相手になろう。｣

そう言い切ると、クラピカは木刀を構える。

それに呼応するように、レオリオもナイフを取り出して、臨戦態勢に入った。

…と、ヒソカはぐるりと私の方を振り返ると、つかつかと歩み寄って。

｢もし、ボクがこの2人のプレートを奪うと言ったら、Aはどっちに味方するんだい?｣

｢…私も2人と同じだよ。仲間だもん、見捨てられない。｣

じっと顔を覗き込む彼の瞳を、見つめ返してそう返す。

私の答えを聞くと、何故だか彼は嬉しそうに笑い出して。

｢…?｣

｢いいだろう、交渉成立◇
残りの1枚だけで良い♤｣

…どうやら、私達のプレートを奪うつもりじゃなくなったみたい。

心臓の鼓動が落ち着いていくのが分かった。

#

ヒソカに118番のプレートを渡して、今度こそポンズを探すために張り込みを始めた。

空はそろそろ夜になろうとしていて、じわじわと薄暗くなっている。

…どうしてヒソカは、私に構うのかな。

兎にも角にも、私は彼に認めてもらわなきゃいけない。

ヒソカの課題も、クリアするにはどうしたら良いのだろう。

うーんと伸びをすると、遠くで鳥の羽ばたく音が聞こえた。