°３４ ページ36
…それから、猿使いの男を捕まえてプレートを取り、トンパさんを縛って、私達は解放された。
先程とは少し離れた場所で、作戦会議を開く。
私が木の根に腰掛けると、レオリオが嬉しそうに言った。
｢よぉし!!これでオレのプレートは無事戻ったぜ!
…まさかクラピカの獲物がトンパだったとはな、お陰で助かったぜ2人とも。｣
よっぽど焦っていたのか、珍しくレオリオが素直にお礼を言う。
するとクラピカは、普段通りの調子で返した。
｢礼には及ばないよレオリオ。
君が背後から攻撃された時は、我々の都合で黙っていたからな。｣
あ、そーいえば!とレオリオ。
依然としてクラピカは上から目線で、レオリオが少し不機嫌になっている。
暫くの間、仲が良いんだか悪いんだか分からない2人の問答を見た後、私は口を開いた。
｢あのねレオリオ。…私、ポンズを知ってるの。｣
｢ホントか!?｣
｢実はトリックタワーで一緒で。
…でも、ポンズを売るようなことはしたくない。｣
色々助けて貰ったもの、と呟いて、少し考える。
人一倍人情のある2人は、私の気持ちが良く分かるみたいで、眉を伏せていた。
｢＿でも、レオリオを助けない、なんてことも絶対にしたくない。
だから協力するよ。だけど、正々堂々とプレートを取ろう。搦め手は嫌だよ。｣
私が続けると、レオリオがすっくと立ち上がって私の頭を軽く叩いた。
｢いたっ、何するの!?｣
見上げると、彼は満足気に微笑んで言った。
｢ガキが協力だの、搦め手だの…。
オレも騙すのは嫌いだ、お前に言われなくても正直者だぜ!!｣
格好つけてポーズを取るレオリオ。
一瞬だけ沈黙が流れる。
…それを破るようにクラピカがふふっと笑って。
｢全くだ。私はそんなに信用出来ないか?｣
クラピカは"よし"と言うと、私を急に立ち上がらせた。
｢ならば次はレオリオの獲物、
うん、と私とレオリオも頷く。
私にとってポンズからプレートを取るというのは、決して喜ばしいことじゃない。
でも、彼女ならきっと私の優柔不断さに怒るだろうな、なんて考えたら、なんだか決意が固まった気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 138人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なぎテラス | 作成日時：2021年1月28日 19時
