【H×H】純なる緋【クラピカ】 (ページ30)

今日:2 hit、昨日:42 hit、合計:75,904 hit

°２８ページ30

「諸君、タワー脱出おめでとう。
　残る試験は４次試験と最終試験のみ。」

この試験の試験官だったらしい男性が言う。

まだそんなにあるのか、と思っていると、試験官は横にあった箱を指差した。

「これからクジを引いてもらう。
　このクジで決定するのは、'狩るもの'と'狩られるもの'。」

頭に疑問符を浮かべる私達の顔を見回して、彼はにやりと笑う。

「この中には今残っている受験生のナンバーカードが入っている。
　今から一枚ずつ引いてもらう。」

#

＿８９。

私の引いた数字はそれだった。

「全員引き終わったね。

　…それぞれの番号に示された受験生のナンバープレートが、それぞれの獲物(ターゲット)だ。」

ターゲット。
あの言い方からすれば、もしかして格闘をすることになるのかも。

「自分の獲物(ターゲット)となる受験生と、自分のナンバープレートは３点。
　それ以外は１点。

　ゼビル島での滞在期間中に、６点分のナンバープレートを集めること。」

試験官の説明を聞き終わり、８９番を探す。

でも、皆いつの間にか自分のプレートを隠してしまっていて。

慌てて私も隠しながら、ターゲットが分からないのは不味い、と考える。

…だけど、私のターゲットがクラピカ達やポンズじゃなくて良かったな。

とにかく、この中でターゲットじゃ無いことが確定してるのはクラピカ達とポンズ、あとはヒソカとハンゾー。

つまりは、会ったことのない１７人の内誰か。

誰だろう、とこっそり他の受験生の顔色を伺う。

すると、丁度目の合った男性にきっと睨まれた。

…そっか、私だって誰かの獲物なんだ。

私はターゲットが誰か分かっていない。

だけど、私を狙っている人は、獲物が私だともう分かっているかも。

或いは、クラピカ達が私を'狩るもの'という可能性もある。

それも忘れないようにしなくちゃ。