°２５ ページ27
睡眠も取り、ある程度体力が回復した私達は再び歩き出していた。
格闘やデスマッチなどがない分、このルートは大分長く作ってあるみたい。
道が迷路のようになっていて、先に進む事すら直ぐに出来なくてもどかしい。
｢多分、もうすぐ終わりじゃないかしら。｣
｢そうだと良いんだけど…。｣
…ポンズの予想が当たっていて欲しい。
此処は何処から何が来るか分からないから、精神を削られてしまうもの。
そう言うと、そうね、と言ってポンズはこちらを振り向いた。
＿すると、彼女は目を大きく見開いて。
｢危ない!!伏せて!!!｣
…瞬間、頭上を槍が通って行った音がした。
｢良かった…。｣
｢死ぬかと思った…。ありがとう、ポンズ…!｣
ポンズが教えてくれなかったら、私は間違いなく槍に刺されていた。
…心臓がバクバクしたままお礼を言う。
すると彼女は照れくさそうに、私の額を指で弾いた。
｢馬鹿、注意しなさいよ。｣
｢うん、ほんとにありがとう。｣
#
それからも仕掛けは色々あったけど、ポンズに助けられて何とかクリアを続けられた。
…そして。
『２４６番ポンズ、４０２番A、2次試験通過第１７・１８号!!
所要時間６４時間!!』
２日と半日ちょっとかけて、私達はトリックタワーをクリア。
でも、時間が足りなくなってきて、２日目は徹夜だったから疲れてしまった。
ポンズに"やったね"とガッツポーズすると、彼女はウインクしてくれて。
｢そういえば、皆は…。｣
あの４人を探して、辺りを見回す。
だけど、幾ら探しても彼らの姿は無い。
私が１番早かったのかな、と思っていると、座っていたヒソカと目が合った。
｢やぁ、Aもクリアしたようだね♡｣
「まぁそれなりにね。
…ところで、皆を知らない?」
私が質問すると、彼は遊んでいるかのような口調で答える。
「ああ、あの子達ならまだ来てないね♧
心配してるのかい?」
「ううん、あんまり不安じゃないよ。」
心配する様子の無い私に少し驚いたらしく、彼は"どうして?"と更に問いかけてきた。
「…仲間だったら信じるもの、だもん。」
一昨夜のポンズの言葉を言ってみる。
…するとヒソカは可笑しそうに笑って。
「へぇ、少し見ない内にこましゃくれちゃって♡」
と言うと、私の肩についた埃を払ってくれた。
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作者名：なぎテラス | 作成日時：2021年1月28日 19時
