【H×H】純なる緋【クラピカ】 (ページ17)

今日:21 hit、昨日:42 hit、合計:75,923 hit

°１５ページ17

「＿元々、私は死にかけてたらしくて。」

声が震えているのが分かった。
だけど二人は、何も言わずに聞いてくれる。

「路上で私は倒れてて、両親もいる様子じゃなかったから、きっと捨てられたんだろうって。

　…私は覚えてないけど、ヒソカが話してくれた。」

「そこをヒソカが拾って、ある団体のアジトへ連れていったらしいの。名前は教えてくれなかったけど、非合法組織なのは分かった。」

「連れていかれると私は狭い部屋に入れられて、そこで死体処理とか、毒薬の実験台とか、兎に角色々させられた。」

「でも顔を知られたくないのか、私に会うのは何時もそこのリーダーだけだったから、本当に何も知らないの、そこの事。」

「でも、ヒソカは皆の目を盗んで、良く会いに来てくれて。

　それで勉強やその日の出来事、簡単な手品なんかを、私に教えてくれた。」

「…そんな生活が十年と少し続いて、私ももう諦め出してた頃、ヒソカはハンター試験の事を教えてくれたの。」

「そうだね、君を此処から逃がして、世界を見せてあげよう…何て言ったら、君はどうしたいんだい…?」

「勿論、出たいけど…そんなこと、どうやって…?」

「そこは心配しなくて良い◇
　だが一つ、ハンター試験を受けること♧それが君を逃がす条件だ♤」

「ハンター試験…?」

「ハンターっていうのは、色んな物を追求してる人達の事。
　プロのハンターになるためには、ハンター試験を合格しなくちゃいけないんだ◇」

「さて、もう一度聞こう♤

　＿君はどうしたいんだい?」

「…その時、首を縦に振って、私は外に出た。

　でも、ただハンター試験を受けるだけじゃ駄目みたいで。」

「＿"あの奇術師(ヒソカ)に認めてもらうこと"。
　今はそれが、私がしなくちゃ駄目なこと。」

言い終えて、ふぅと息を吐く。

二人は黙っていたけれど、暖かな雰囲気が流れていて、それが嬉しかった。

「…レオリオ、A。話してくれてありがとう。
　だが、夢を語る前にまずは試験だ。落ちたら元も子もないぞ。」

クラピカが珍しく、そう言ってくれる。

…やっぱりクラピカは優しい。私が知ってる誰よりも。

＿なんだかお互いの事を話した事で、私達の間には強い絆が生まれだしていた。