°１２ ページ14
皆の所に戻ると、見慣れない銀髪の少年が増えていた。
「ただいま皆、この子は?」
「オレはキルア。あんたは?」
銀髪少年が答えてくれた。
「私はA。１７歳だよ!」
へぇ、と興味無さげに返事をする銀髪少年、キルア。
「…ところでさ。」
もうちょっと反応とかあっても良いのに、なんて頬を膨らませていると、キルアが口を開く。
「あんた、あの４４番と知り合いっぽかったけど…何かあるの?」
４４番。即ちヒソカ。…きっと先程会話していた光景を見られていたのだろう。
彼の殺気を感じ取って、鳥肌が立った。
「おい、それは本当か!?」
心配してくれたらしく、私の顔を覗き込むクラピカ。
「う、うん。本当だよ。でも、悪い人じゃない、と思うんだけど…。」
何度も噛みながら答えると、目線を私に合わせるキルア。
「アイツとはどういう関係?」
「…私にハンター試験の事を教えたのがヒソカなの。だけど、理由は私も全然分かってなくて。」
凄みに押され、正直に答えると、ゴンが更に尋ねてきた。
「じゃあ、船で言ってた"認めて貰わなくちゃいけない人"って…。」
「うん、ヒソカの事なの。」
「やべー奴と知り合いじゃねぇか、それって大丈夫なのか!?」
今度はレオリオが、私の肩を掴んで聞く。
「少なくとも、殺されそうになったことは無いけど…。」
ちらっとクラピカの方を見る。
彼は此方を見ると、ぶっきらぼうに言い放った。
「こいつは嘘をついていないよ。目を見れば分かる。」
"ふぅん"とキルアが呟く声。信じてくれたかな、と祈る気持ちでいると、彼は打って変わって無邪気に笑った。
「そんなら良かった、オレ実はあんたの事疑っててさー!でも嘘じゃないってなら良いや。」
先程の殺気は何処へやら、後頭部で腕を組むキルア。
「…信じてくれたの?」
おっかなびっくりそう言うと、彼はけろりとして答えた。
「だってその人の言ってる通り、嘘ついてる感じじゃなかったしね。
それに、Aって言ったっけ?お前嘘下手そうだし!」
「ちょっと、最後のどういう事!?私そんなに不器用じゃないんだけど!!」
信じてくれたのは嬉しいけど、やっぱり生意気!
私達が走りながら喧嘩を始めると、クラピカにキルアとの距離を離されてしまった。
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作者名：なぎテラス | 作成日時：2021年1月28日 19時
