【H×H】純なる緋【クラピカ】 (ページ12)

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°１０ページ12

化けたキリコのお父さんに先導され、私達はハンター試験会場に辿り着いた。

…でもそこは、どう見たって普通の定食屋で。

「冗談きついぜナビさんよ、まさかこの中に志望者が集まってるって言うんじゃねぇだろ?」

レオリオが解せない面持ちで、キリコさんに尋ねた。

「そのまさかさ。…ここなら誰もハンター試験の会場だとは思わないだろ?」

そのまま中に入ったキリコさんは、'弱火でじっくり'焼いた、'ステーキ定食'を注文する。

どうやらそのメニューが暗号らしく、私達は奥の部屋に通された。

キリコさんは部屋から出ようとして…いや、出る直前に私の方を振り向いた。

「お前さんの事、娘が酷く応援してたぜ。何せお前ら、一万人に一人の倍率もクリアしちまったからな。
　…それじゃ頑張りな、新人(ルーキー)さん達!」

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部屋はどうやらエレベーターになっていたようで、会場に着くまでステーキ定食を食べる私達。

「三年に一人。」

突然クラピカが小さな声で言った。

「どうしたの?」

「ルーキーが合格する確率、だそうだ。」

そんなに難しいんだ、と些か不安を覚えていると、口を開いたのはゴン。

「でもさ、なんで皆は大変な目にあってまで、ハンターになりたいのかなぁ?」

「あ、確かに!」

思わず同意すると、クラピカとレオリオは目を丸くした。

「ハンターは、この世で最ももうかる仕事なんだぜ!!」
「この世で最も気高い仕事なのだよ!!」

意見の正反対な二人の熱弁を聞いていると、到着を示す機械音が聞こえてきた。

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「402番かぁ。」

係の方から貰った、自分のプレートを握ってみる。

殺伐とした雰囲気の会場に、身がすくむのが分かった。

暫く話していると、上の方から声がして、私達は上を見上げる。

視線の先にはおじさんが居て、彼は右手を上げて挨拶した。

「俺はトンパ。分からない事があったらなんでも聞いてくれ!」

それからトンパさんは受験生をある程度紹介してくれて、最後に私達にジュースを渡した。

彼が飲むのを見て、私も飲もうと思ったんだけど…。

「このジュース古くなってるよ!!味がヘン!」

ゴンが一口口に含み、直ぐ様吐き出してそう言う。

それを聞くやいなや、クラピカ達はジュースを地面に流してしまった。

…この人、なんだか怪しいなぁ。