流転と夢幻

3　会議に乱入 ページ6

「失礼します」
「失礼しま〜す」


上層部が絶賛会議中の部屋に悟と勝手に入る


相変わらず暗いしジメジメしてるし
辛気臭いところだここは


「またお前達か！五条悟、櫻田A」
「今回の秘匿死刑はもう決定した」
「貴様らが何と言おうと虎杖悠仁は死刑だ」
「さっさと出て行け」


「まぁまぁ、皆さん落ち着いて
もう一度冷静になって考えてみて下さいよ
虎杖悠仁を殺すなんて勿体ない」
「何？」
「どういうことだ」
「今後、宿儺の器が生まれてくる保証はない」





悟は一拍置いて、言葉を続けた




「どうせ殺すなら全ての宿儺を取り込ませてから殺せばいい」

シンッと静まり返った空気
だが、それはほんの一瞬で
上層部がすぐに騒ぎ出した

「そんなの危険すぎる！」
「いつ暴走するか分からんのだぞ！」
「今すぐ祓う！それが一番安全だ」


「現在、高専が保有する指は全部で6本。そして、もう1本は宿儺の器が取り込んだ」


唐突に話し出した私に視線が集まる


「残りの13本
気配を殺して隠れているモノ
すでに呪霊に取り込まれているモノ
あるいは、
呪詛師が所持しているモノ……

これら全てを私達で見つけるのは困難
奇跡的に全て見つけて回収できたとしても私達はそれを祓えない。封印するしかない

けれど、虎杖悠仁、彼がいれば…


五条が言うように全ての指を取り込ませてから彼を殺せば、この世から宿儺を完全に消すことができる。千年もの間祓えなかった呪いを祓うことができる

生かしておくのは危険が伴うかも知れませんが、メリットの方が大きいのでは？」



「しかしだな…」
「それに…」

上層部の言葉を遮り
少しの殺気を孕ませて彼らを睨みつける

「なんの罪もない少年をそう易々と
“殺す” というのは…
私はどうかと思いますよ」
「僕もAと同意見」


悟も上層部に向けて少々…
いや、容赦なく殺気を放つ


これは完璧に脅しだな……


「……器に耐性がなかった場合、宿儺が暴走する。そうなれば被害は甚大だ‼」
「それはちゃんと僕とAで見極める」






「ではもし、宿儺が暴走した場合はどうする」









「その時は僕が責任持って止める」







そういう事は1人で背負うのか

普通は “私たち2人で責任持って止める” でしょ






　








「………………いいだろう
虎杖悠仁の秘匿死刑に執行猶予を与える
宿儺の指20本全て取り込むまでだ
取り込み次第、死刑執行とする」


　

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