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27 呪い ページ32

「呪術師としてどんな人たちを助けたいか
この問いに答えるには必要だと思ったんだよ」



「………俺は善人だけを助けます」
「うん」

恵らしい

「軽蔑しますか?」
「何故?正解のない問いなんだ
その答えを、ましてや答えを出したその人を軽蔑する理由がどこにある」
「…Aさんは真っ直ぐですね。揺るぎない」
「そんなことないよ。迷って悩んで苦しんでる」

昔も今も

「そんな風には見えないです」
「君達の前ではカッコつけたいもんなんだよ」

そう言って恵に笑いかける

「そう、ですか」
「恵も迷って悩んで苦しめばいいよ
それは決して悪いことじゃないから」

少し、肩の力が抜けたかな
表情も柔らかくなったし

「櫻田家の呪いってAさんにもかかってるんですか」
「そうだね」
「解呪したいと思ってるんですか」
「別に、そこまで…
私は子供なんて産まないし、結婚しないし
誰かを好きにもならないから
関係ない
私が死ねば櫻田家の呪いは解ける
それで全部丸く収まる」

何百年続いた呪いにケリをつけられる




 







さて、そろそろ真希達のところ行かないと怒られるな

そう思って立ち上がる

「好きって気持ちは自分の意思ではどうにもできないもんですよ」
「ん?」
「その人が振り向いてくれる可能性が限りなく低くて、好きにならない方が楽だと分かっていても、好きって気持ちに蓋をするには限界があります」

真剣に話す恵に少し嬉しくなる
あの、恵が____

「なんだ、恵、恋でもしたか!」
応援するぞ

わしゃわしゃっと恵の頭を撫でた手が
勢いよく引かれた
いとも簡単にボスッと恵の胸へと倒れ込む





あれ__
恵ってこんなに大きかったっけ…?



「重心、ズレてましたね」


至近距離
目の前にはこちらを真っ直ぐに見る翠緑の瞳

自分の鼓動が早まるのが分かった


息が、うまくできない


「はっ……」
「‘恋’ したって言ったらどうします?
その相手が、Aさんだって言ったら」

私……私?
何故?
どうして
嘘だ




「稽古、お願いします
早く、追い越したいんで」


そう言って恵は私をスッと離し、真希達のところへスタスタと歩いて行ってしまった

恵が私を?
いや、きっと何か勘違いをしているだけだ
憧れだとか、そういうやつだ
私にもそんな時期があったから
きっと、そうだ


「おーい、Aさーん
休憩、充分だろ。続きー」
「あぁ、今行く」


真希の声に考えることをやめ
竹刀を握りしめた



「よし」



稽古再開だ



 

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- 優太? (3月8日 9時) (レス) @page7 id: 1d30ad6e27 (このIDを非表示/違反報告)
作者の呟き(軌跡。あとやる気を出すために) - 宿儺を早く出す。頑張れ私…! (2020年8月17日 16時) (レス) id: e1b064acd8 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ぱるむさん» ありがとうございます!そう言って頂けるとめっちゃやる気出ます…!亀更新ですがこれからもよろしくお願いします… (2020年6月28日 0時) (レス) id: 9a9688c434 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ありがとうございます!そう言って頂けるとめっちゃやる気出ます…!亀更新ですが、これからもよろしくお願いします… (2020年6月24日 0時) (レス) id: 90f9ce8616 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - めっちゃ面白いです!応援してます!頑張ってください! (2020年6月19日 20時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナッパ | 作成日時:2019年3月5日 13時

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