20 後輩よ、 ページ25
全速力で駆けるなか
もうすぐ東京に着くこと
そしてどこに向かわねばならないのか
伊地知に連絡する
《高専にお願いします》
高専…
任務先で何かあったのではないのか
「まさか」
嫌な考えが頭をよぎる
頼む
間に合ってくれ…！
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーー
高専に着き
狼狽えた様子で門のそばに立っている伊地知を見つけて駆け寄った
「伊地知！」
「櫻田さん…」
その表情と声色が事の顛末を物語っていた
そしてそれは決して良いものではないことを
あぁ、私は……
間に合わなかったのだ…
「何があったか詳しく聞かせてくれるか…？」
落ち着け
責任を感じているであろう、この後輩の前で取り乱すわけにはいかない
「はい…
少年院で呪胎が確認され
生存者の確認・救出のために1年生を派遣するよう命が下りました
しかし呪胎は変態し、特級になっており…
先に伏黒くんと釘崎さんが戻ってきて
私は怪我をした釘崎さんを病院に運んで応援を呼びに行ったんですが
……間に合いませんでした
伏黒くんから聞いた話では宿儺と変わった虎杖くんが特級呪霊を倒したそうです
その後、宿儺によって心臓を抉り取られた虎杖くんは…」
そこで伊地知は言葉を切った
「そう…恵と野薔薇は無事なのか」
「怪我をしていますが、命に別状はありません」
「悠仁は…今どこに」
「………解剖室です」
「…分かった」
「私が、もっとしっかりしていれば！」
そう言って悔しそうに拳を握りしめた
その手はひどく震えている
‘しっかりしていれば’
そこには色々な意味が込められているのだろう…
「本当に申し訳」
「伊地知」
私が言葉を遮ると彼は少しだけ顔を上げた
お前が謝ることじゃない
謝る必要なんて、ない
「補助監督の仕事、お疲れ様…大変だったな
これは決してお前の責任じゃない
だから、謝る必要もない
そう、気に病むなよ」
少しでも慰めになればいいが
真面目な彼のことだ
少年を死地に送り込み死なせてしまったと
自分を必要以上に責めていることだろう
「…」
「連絡してくれてありがとう
もっと早く戻ってこれなくて本当にすまない…」
おそらく、上に口止めされていたことだろう
それでも彼は連絡してくれだのだ
「貴方こそ謝る必要は…
ないじゃないですか」
「………私は悠仁のところへ行ってくる
じゃあな」
「…はい」
唇を噛み
いまだ震える伊地知を残し
私はその場を後にした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅 - 優太？ (3月8日 9時) (
レス) @page7 id: 1d30ad6e27 (このIDを非表示/違反報告)
作者の呟き（軌跡。あとやる気を出すために） - 宿儺を早く出す。頑張れ私…！ (2020年8月17日 16時) (レス) id: e1b064acd8 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ぱるむさん» ありがとうございます！そう言って頂けるとめっちゃやる気出ます…！亀更新ですがこれからもよろしくお願いします… (2020年6月28日 0時) (レス) id: 9a9688c434 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ありがとうございます！そう言って頂けるとめっちゃやる気出ます…！亀更新ですが、これからもよろしくお願いします… (2020年6月24日 0時) (レス) id: 90f9ce8616 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - めっちゃ面白いです！応援してます！頑張ってください！ (2020年6月19日 20時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナッパ | 作成日時：2019年3月5日 13時
