流転と夢幻

14　試験 ページ19

「飲み込んだぁ⁉特級呪物をぉ⁇」

そりゃ驚くわな……にしても

「きっしょ!!!ありえない‼衛生観念キモすぎ‼
無理無理無理無理」
「んだと？」
「これは同感」


恵まで同調するとさすがに悠仁が可哀想だな


「……Aさんも同じこと思った？」

不服そうな顔でこちらを見てそう尋ねてきた悠仁


「いや、私は別に気持ち悪いとは思わなかったよ
ただ凄いなぁって…
あ、気になってたんだけど指って美味しいの？」
「そうなんっすね！メチャクチャマズイっすよ」
「やっぱり(笑」









「君達がどこまでできるか知りたい
ま、実地試験みたいなもんだね
野薔薇、悠仁、2人で建物内の呪いを祓ってきてくれ」

悟の言葉に野薔薇が顔をしかめる

「げ」

さっきの話聞いた後じゃ悠仁と2人で行くのは気が進まないか…


「あれ でも呪いは呪いでしか祓えないんだろ
俺呪術なんて使えねぇよ」
「悠仁はもう半分呪いみたいなもんだからね
体には呪力が流れてる」
「でも ま、呪力の制御は一朝一夕じゃいかないから、これを使いな」

そう言って悟が悠仁に渡したのは真希の呪具『屠坐魔』

まるで自分のものかのように…

「あ―、それから、宿儺は出しちゃ駄目だよ
アレを使えばその辺の呪いなんて瞬殺だけど、近くの人間も巻き込まれる」









「やっぱ俺も行きますよ」


悠仁と野薔薇が建物に入ってすぐ
恵がそう切り出す

「無理しないの。病み上がりなんだから」

恵は直方体の石の上に、悟は地面に座り
私は壁に背を預けて2人の帰りを待っていた


「そうそう。悪化したら硝子に怒られるよ」
「でも、虎杖は要監視でしょ」
「まぁね。でも、今回試されてるのは野薔薇の方だよ」
「それに何かあっても私と悟がいるんだから大丈夫に決まってるでしょ」

というか何かある前に動くけどね







「悠仁はさイカレてんだよね」

悠仁が呪いを払った直後
喋り出した悟


「異形とはいえ生き物の形をした呪いを、自分を殺そうとしてくる呪いを、一切の躊躇なく殺りにいく
君みたいに昔から呪いに触れてきたわけじゃない
普通の高校生活を送っていた男の子がだ」

呪術師になるきっかけは人それぞれだが……
悠仁みたいな例は稀だろうな


「才能があってもこの嫌悪と恐怖に打ち勝てず、挫折した呪術師を恵も見たことあるでしょ」


______確か、私の母がソレだと教えてもらったな
誰に聞いたんだったか
昔のことだから忘れたな


「今日は彼女のイカレっぷりを確かめたいのさ」

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