７話 ページ9
そんな日々が続き、気付けば何日目かの朝を迎えていた。日付なんて書き忘れた。どこからどこまでが昨日で今日なのか、ろくに覚えちゃいない。電伝虫から「迎えに来ました」という報告が来るまで、人間が日常的に気にかけていることを、私は気にも留めれないレベルで衰弱していたからだ。
結局ヴィアは目覚めず、毎日のように呼吸も不規則。たまに浅くなることもあり、死にはしないかと精神が削られていくこともあった。
一隻の海軍より、一人の海兵が乗り移る。それは声の主だったコビー大佐だ。彼はスレットに敬礼した後、ヴィアのことを聞いたのか部屋に訪れた。私はそれを止めようとしたが、何かすれば私が何とかするとなだめられ、船長の許可をもらったコビーはヴィアの心臓に手を当てる。
「......脈は大丈夫ですね。本部に到着次第、すぐに医師の元へ連れていってもいいですか？」
「それで頼む。もう一つの条件も忘れないでくれ。」
「その辺りはご心配なく。センゴクさんが動いてくれたおかげで、皆さんの指名手配を取り下げることができました。」
「！？」
「ただ......ランさんには別の罪状があって、その件についてはまだ話し合いが必要そうです。でも、あなたたちが活躍してくれたら、その功績に免じて罪が軽くなるか、無罪になるかもしれません。」
安堵した。ヴィアは死なない。同時に驚いた。船長は先に動き始め、私たちのために頑張ってくれたのだと。しかも私が国を滅ぼしたという罪まで、取り下げようとしていた。相も変わらず娘には頭も上がらない。コビーという海兵も柔らかい態度で、こちらを下に見ず、下手に上の者として扱わず、あくまで対等な立場としてこちらに接してくれたのだ。
少しでも多くの人が納得できる結果になるように。その過程も納得できるものになるように。さすがルフィの友人だと、思わぬところで彼の株が上がった。
「それ、日記ですか？」
「覗かせませんよ。」
「もう見ちゃいました。ルフィさん、かっこいいですよね！」
「............まあ。年の割には、よくやるなぁと。そうは思いますけど。」
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作者名：御法川 | 作成日時：2024年2月19日 3時
