王と神と作家、王の覚醒の刻【ONE PIECE】 (ページ8)

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６話/作家の証明ページ8

ここしばらくの後悔で、私は改めて子供たちと向き合った。彼らとの記録をここに記すことにする。私が死んでも、私の想いが皆に伝わることを祈ろう。
私は昏睡状態のヴィアを見守ってた。点滴に必要なボトルも定期的に入れ替えながら、テゾーロに告げられたことを思い出す。スレットも右足を骨折したものの、常に浮いていれば問題ないということで、松葉杖を使用せず能力で移動している。あのスレットが怪我をするなんて、と驚いたが、レイナの肉体を乗っ取ったAに足をわざと折られたらしい。

「一度死ぬだけで性根まで腐るのか、あのクソ野郎......」

と、呆れていた。確かによく考えれば、生前のAは加害者など相手にもしないような態度だった。匿名の手紙に従い、彼女を遠くから気にかけてはいたが、大人が介入する時間すらない。彼女は一人で加害者を叩きのめし、自身の論を証明するために日々を過ごした。
そんな彼女が今、何故狂気に満ちているのか。もしレイナが所持していたオカルト本に秘密があるとすれば、例の儀式の影響として、抑えられていたものが表に出た可能性も否定できない。
幼い子供だったんだ。その志に賛同する者を増やせたとしても、加害者は減らない。家に帰れば、子供への希望も失せた家族と腐った食事が待っている。そんな毎日で、人格が破綻しなかった方がおかしい。今の彼女を否定してはならないと、私は思っている。
スレットとヴィアの看病を交代し、船長室に訪れることもあった。レイナがオカルト本、新聞、地図を手元に、何か調べ物をしているのがいつもの光景になっている。

「アンデルセン、か。」
「......作者の名前ですね。知名度だけで言えば、世界の歌姫にも負けません。そのオカルト本は評判こそ悪いものの、実際に記載された現象が起きたという噂もある。接触するにも、居場所は分かりませんよ。」
「だから調べているんだ。夜食は適当に置いといてくれ。」

全員寝不足だ。ロジャーが雑用をやってくれることもあり、多少のストレスから解放されてはいるものの、私の子供を愛する気持ち以上に、少し自由がほしいとも考え始めている。
孫と話す時間だけは違った。この純粋無垢な瞳は、いつも私の心を癒してくれる。