１８話/故郷への道 ページ20
「......すみません。小さい子供だからと、甘く見ていた自分が完全に悪いですね。本当に強い。体の作りは元の体と違うはずなのに、噂通りの素早さと力。僕もあなたを見習わないとですね。もう少し訓練しますか？」
「私は少し休憩する。どうにもこの体、疲れやすいみたいだしな。」
■日後。一部海兵との親睦が深まった彼らは、カンヌの居場所が分かるまで互いの能力を高め合っていた。武装色、見聞色を修得することで、より戦力を上げていきたいのだろうと、レイナは考えていた。現在の海軍のイメージとしては荒々しい、市民がいようがお構い無し。そのイメージを根本から払拭するための努力、というものだろうか。
サカズキ本人は、今回の合同訓練に賛成した側らしく。もう同盟も撤回できないのなら、利用し尽くしてやるという算段なのだろう。それはレイナも同じで、海軍の実力を把握している。
だが、レイナの場合は趣旨が少し違う。いつか海兵と戦うときのために把握しているのもあるが、事前に海軍にも伝えた通り、彼女は今度こそ海賊をやめる身だ。建国なんて大掛かりなことはせず、どこか小さな島で、のんびりと暮らす。その際、何人か警備を雇いたいとのことらしく。
元海賊からの依頼など受けづらいことこの上ない。
「報酬は......計算するとこんな感じ。功労者には私の遺産の10%を分けてやらんこともない。」
「コビー！俺たちで引き受けようぜ！！」
「ヘルメッポさん......よし、説得する方向を変えよう。そもそも遺産はその人の人生次第で変わるものです。だから100ベリー程度って可能性も」
「遺産の予定はこんな感じだ。」
「レイナさん！？！？」
とは限らなかった。その多額に釣られ、最低条件は二つの覇気を修得することだと言われ、それでやる気を出したらしい。海兵とはいえやっぱり人間だな、と笑うレイナだった。
......それからしばらくして。カンヌの居場所ではなく、Aの居場所が海兵より報告された。
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作者名：御法川 | 作成日時：2024年2月19日 3時
