１４話 ページ16
一発、二発、三発。さて、今ので何回目か。一日経ったような気もするし、ほんの数分だけかもしれない。それぐらい孫を殴ったんだ。自分の手の皮はもちろん剥がれ落ちているし、殴られた当の本人は反撃も逃げることもできないためか、とうとう限界が来て涙を流していた。
その姿では復讐も叶わない。ただ昔のように、強者に蹂躙されるだけ。その姿を見て私は満足できた。これで明日も、素直に私の言うことを聞いてくれる■■になってくれる。やはり、■■とはこうでなくては。
他の子供たちはなかなか言うことを聞かず、大半が心中してしまったが、誘拐した駒はまだたくさんある。まずは孫にすべての方法を試し、精神支配にちょうどいいやり方を見つけて、より強い駒へと育て上げる。それが私の願い、私の望み、
私が■■を守るためのやり方。
「痛かったなぁ。ごめんな？もうお前に辛い思いをしてほしくないんだ。昔のことは忘れよう！私たちは今を楽しむために、私たちを否定してきた人間を皆殺しにする。個人的興味でレイナは傍に置くが......安心してくれ。私が愛しているのはお前だけだよ。」
そのはずだ。
なのに、さっきから思考を巡らせる度に、言葉を発する度に、復讐心すら欠けていく孫を見ている度に、私の中の何かがすり減っていく。ある言葉に関しては、自分でも何を言ったのか、思ったのかを忘れてしまう。今こうして考えている私も、本物の私ではないかもしれない。
......ああ、そうだ。私は"海軍所属のカンヌ中将"だ。こんなところで■■■■■
違う。違う。思考を統一しろ。もはや逃げは許されない。長年の願いを果たすために、すべてに阻まれて支援もろくにできなかった昔の自分を殺し、阻んできた者の罪の十字架を誰かに背負わせ、殺すために。子供が愛せなかった子を愛してやるのが、祖母としての役目なんだと。
今さらでも愛を注げと、自分に嫌というほど言い聞かせろ。
「さあ、今日は一緒に寝ようか。......明日、革命軍はここには来ない。下っ端は全員、私が殺したからな。」
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作者名：御法川 | 作成日時：2024年2月19日 3時
