2人の距離(赤) (ページ14)

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それは本当に偶然だった

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あ「ただいま～」

母「あら！どうしたの？いきなり」

あ「この辺に撮影来てたから」

母「そうなの～？」

あ「ちょっと散歩行ってくる」

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家を出て斜め前には"重岡"の標識

通学路を通って

あの日東京へ向かう日

シゲと2人で話した公園に向かう

ベンチに座り気持ちのいい風になびく

「A?」

後ろから自分の名前を呼ばれた瞬間

時が止まった気がした

すぐに後ろを振り向いたけど

見なくても分かる

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あ「…………しげ」

重「なにやってるん？帰省か！」

あ「う、うん…この辺まで撮影きてて」

重「映画…の？」

あ「そうだよ…あ、小瀧くん…お世話になってます」

重「いやいや、それこっちのセリフやわぁ」

子供がワイワイ遊んでるけど

2人だけの空間に感じる

ぎこちない会話が続く

重「久しぶりやなぁ！なんか」

そんな無理に話さなくてもいいのに

何年幼馴染やったと思ってんの

無理に笑ってるのがわかる…

俊「しげ～、って……A？」

しげの後ろから車に乗った俊が顔を出す

2人約束してたんだ

俊とは毎年お正月にあってる

しげは正月お仕事で大阪にいないから

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俊「正月ぶりやなぁお前、」

あ「そだね笑」

俊「お前もいくか？肉」

あ「私この後も撮影あるからいいや！ごめんね」

俊「おうおう、んじゃまた。しげ、行くぞ」

重「お、おう…んじゃ…」

あ「うん、ばいばい」

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しげがゆっくり歩き出す

あぁもうばいばいか、なんて思ってると突然振り返った

重「あのさ！！！」

あ「え？」

重「連絡先…番号昔と変わってへん？」

あ「あぁ！変わってないよ！」

重「…また、会わへんかな…東京で、」

あ「うん！！！」

重「ほな！またな！」

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