▽12 ページ14
.
深夜1時。
身体は疲れとるはずやのに全然眠れんくて結局恭平の側でただ時間が過ぎるのを待っとる。
最初苦しそうに寝とったけど、点滴が効いてきたのか今はスヤスヤ眠っとって一安心かな。
.
「じょーくん…」
控えめにドアが開いて顔を出したのは流星。
「どうしたん？」
そう言うと痛いって呟いて手を差し出す。
「手首？ …めっちゃ熱持っとるな」
多分捻挫したであろう左手。
動かせてるし折れてはないと思うんやけど。
包帯の上からでも熱持ってるのわかる。これ痛いわ。
「これで冷やしとき」
恭平の為に用意しとった氷やけど寒がってもうて使わんかったからそのまま渡した。
「ありがとう…」
そのまま戻るかと思ったけどストンと俺の横に腰を下ろした流星。
「寝やんの？」
明日だって大学のはず。
「んー…」
目こしこし擦って眠そうなんに全然戻ろうとしいひん。
「最近、なんも上手く行かへん…」
「ん？」
ぽつりぽつりと話し始めて、今日ダンスの時立ち位置間違えてぶつかってコケたとか、講義が頭に入ってこないとか、そんなこと全部話してくれた。
「きっといつも通りが1番嬉しいと思うで」
言葉にはしてへんけどしゅんのことで頭いっぱいなんやろ。
「いつも通り…」
「そう。なんも特別なことあらへんよ。気負いせんとき」
この言葉にはうんともすんとも返事はせんかったけど、流星はちゃんと受け止めて自分の中で消化できる子やから大丈夫やと思う。
「明日、空きコマとかでもええからちゃんと病院行きや」
「ん… わかった…」
むくりと立ち上がって、渡した氷握りしめておやすみなさいって出て行く流星。
「…これ貸してあげる」
すぐ戻ってきたと思ったらどこかで見た覚えのある犬のクッション。
「大吾のやん」
「今日だけ特別やで。丈くんもちゃんと寝て」
ぼすんと雑に置かれていった犬。通称ごろちゃん。
特別も何も流星のちゃうけど、ありがたくいただくことにした。
思ってたよりこれ肌触り気持ちいいわ。
…流星にはなんやかんや1番気をつかわせてもうてるよな。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 720人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「なにわ男子」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆは(プロフ) - rena0120junさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです（ ; ; ）これからもよろしくお願いいたします！ (2021年9月30日 0時) (
レス) id: b52a2bae21 (このIDを非表示/違反報告)
rena0120jun(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいてます。ありがとうございます！大好きです。大変だとは思いますが、頑張ってください^_^ (2021年9月28日 2時) (レス) id: a9acc2cee9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆは(プロフ) - ゆっりさん» 沢山読んでくださって嬉しいです！見つけて下さってありがとうございます。終わる終わると言いながらズルズル書いておりますが、最後まで宜しくお願いいたします（ ; ; ） (2021年9月10日 22時) (レス) id: b52a2bae21 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっり - 何回もこの作品読み直しています！本当に大好きです！もう少しでお話が終わってしまうのかと思うと悲しいです…これからも頑張ってください！ (2021年9月10日 5時) (レス) id: 39aafb1e8d (このIDを非表示/違反報告)
ゆは(プロフ) - 芽衣さん» 長い間ありがとうございます（ ; ; ）そういうお言葉めちゃくちゃ嬉しいです！ゆっくりですが最後までお付き合いお願いいたします！ (2021年9月9日 7時) (レス) id: b52a2bae21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆは | 作成日時：2021年9月1日 0時
