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丈一郎side
電話をもらってすぐに仕事を切り上げて、タクシー引っ捕まえてやっと病院。
思ったより時間かかってもうた。
この前恭平が運ばれた時もこんなんやったな…。
.
「謙杜！」
看護師さんに案内されてある病室の前まで連れてこられた。
目の前にあった長椅子にちょこんと座って俯く謙杜。
しゅんと一緒に来てくれた養護教諭の先生から、学校ずっと空けとく訳にもいかんし、他の生徒ほったらかしにすることになってまうからって帰りますって連絡が来たのは10分ほど前。
謙杜を連れてきてくれた先生と一緒に帰ったらしい。
謙杜も一人で大丈夫って言ったんやろうけど…
せめて先生が帰らなあかん時間になる前に来てやればよかったな。
「遅なってごめんな？」
謙杜の前にしゃがみ込んで目線を合わせると、ポロポロ泣き出してもうた。
「じょ、くんっ」
「おーおー、どないしたん」
そのまましがみつかれて身動き取れん。
学校で急にしゅんが発作起こして運ばれて、わけわからんまま一人にされて、荷重かったな。ごめんな。
「…しゅんっ」
グスグスと鼻を啜りながらそう呟く謙杜の視線の先には、病室で色んな機械に繋がれて眠るしゅん。
ここに来る前に龍太くんに会って、命に別状はないって言われた。
「しゅんは大丈夫やで」
そう謙杜には言うけれど、内心不安で仕方なくてしゅんのことまともに見ることが出来んかった。
意識失って倒れた時に手出せず床にぶつけたみたいでって、頬にはガーゼ。
点滴もいくつかぶら下がっとって、酸素もガンガン送られて、心電図の波形だけがしゅんが生きてることを教えてくれとる。
手を握りたくても、この小さな部屋に閉じ込められたしゅんの手を握ることは出来ん。
状態が安定するまでしばらくは一般病棟には行けないらしい。
「今日はもう帰ろうか」
謙杜も疲れたんちゃうかな。
そう思って言うたけど、謙杜は帰らないの一点張り。
「いやや、今日は帰らん…」
「面会時間やってあるし、そういう訳にはいかんやろ」
「そんなん… 知らん…」
また目から溢れる涙。
それをそっと拭って手を差し出すと、ゆっくり握られて、二人でゆっくりしゅんの元を後にした。
謙杜やってずっといられないことちゃんとわかってんねん。
しゅんを一人にさせたくないだけやんな。
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麻李有(プロフ) - 更新いつも楽しみにしています！お話とは関係ない余談なんですが、私もお兄ちゃんしている流星可愛くて好きです！ (2021年2月11日 20時) (
レス) id: 6fa0e8953d (このIDを非表示/違反報告)
ゆは(プロフ) - ニコさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！私のなんかで元気出して貰えるなんて…（ ; ; ）更新頻度多くはないですが、今後も宜しくお願いいたします（ ; ; ） (2021年2月11日 17時) (レス) id: b52a2bae21 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!私、最近ずっと忙しくて毎日憂鬱で辛かったんですけど、今、朝拝読させてもらって、ちょぴっと元気出ました！ありがとうございます！ (2021年2月8日 6時) (レス) id: c4b7076b4c (このIDを非表示/違反報告)
ゆは(プロフ) - ニコさん» ありがとうございます〜！！単純脳なのでコメント嬉しくて更新ペース上がってしまいます(笑) お気遣いまでありがとうございます！ (2021年1月26日 21時) (レス) id: b52a2bae21 (このIDを非表示/違反報告)
ゆは(プロフ) - るなさん» ご期待添えず申し訳ありませんでした。こちらこそわざわざコメントありがとうございます。 (2021年1月26日 21時) (レス) id: b52a2bae21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆは | 作成日時：2020年12月27日 12時
