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指定された駅へ向かうと、既に見覚えのある黒い車が止まっていた。
こんこん、と窓をノックすると
少しうとうとしていたのか、眠そうなじゅりくんが顔をのぞかせる。
『ごめんまった?』
樹「ううん今来たとこ」
『そっか』
これも彼の優しさ、ほんとは…って気づいてるけど
あえて何も言わないのが私たち。
『なんかあった?』
樹「んー、まぁ会いたかったからさ」
『なにそれ笑』
樹「だってA、ここ最近ずっと目黒じゃん」
『……まあね笑』
この人も目黒との関係を知ってるうちの1人。
というか、全部なにもかも見抜かれてそうだけど。
じゅりくんって頭の回転早いし察しもいいから。
怖いよね。
樹「しょっぴーから聞いちゃってさ」
『え?』
樹「目黒とお前、両思いって」
『………は?』
樹「しょっぴーが、目黒のスマホにあるお前の画像見ちゃったらしくて?それが彼女っぽかったからなんとかかんとか」
『いやいやいや、両思いじゃないしわたし好きじゃないし…なんの勘違い』
樹「だろうなとは思ったけどさ笑」
『相変わらずだね、翔太』
樹「だな笑まあ目黒はお前に気がありそうだけどなぁ」
『はぁ?…ないって』
樹「………なんでそう言いきれる?」
『…え、』
樹「ほんとは気づいてんじゃないの?」
『…………』
ほんとにじゅりくんって怖い。
全部全部、知ってるじゃん。
目黒の些細なアピールで少し勘づいてしまったこと。
気付かないふりしてこの関係を続けていたこと。
応えられないのに目黒の気持ちを利用して自分を満足させてたこと。
じゅりくんは全てお見通しだ。
この最低なわたしを知ってるのはじゅりくんだけだ。
『じゅりくんも相変わらずだね』
樹「お前の考えてる事は分かるって」
『わたしが前にじゅりくんのこと好きになりたかったことも?』
樹「それも知ってる」
『怖すぎ』
樹「千葉の田中だぞ、当たり前だろ笑」
『それ関係ない笑』
それでもこうやって場を和ませてくれる。
じゅりくんを好きになれたらなぁ、なんて
また考えてしまっていることも
既にお見通しなんだろう。
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Jxrx(プロフ) - PaSOさん» はじめまして、作品を読んでくださりありがとうございます!!今後の展開がどうなるのか、関係性は変化するのか、色々な場面に注目して読んでいただけると嬉しいです!!今後とも宜しくお願い致します。 (2020年4月27日 23時) (レス) id: 9172c61fbe (このIDを非表示/違反報告)
PaSO(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読んでます。ここからどんどん関係性やそれぞれに対する想いが顕在化してくる予感がしています。お身体に気をつけて更新頑張ってくださいね。楽しみにしています! (2020年4月26日 15時) (レス) id: 842be9d369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Jxrx | 作成日時:2020年4月4日 3時