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そう言って見せられたのはじゅりくんとほくとのトーク画面。
「Aちゃんうちで預かってんから」と私が酔っていた頃に送られているようなメッセージ
じゅりくんがスクロールすると、
「今日お前Aんち行くんだってな、早く帰りたがってたよ」
と、
『抱きしめてるなんて一言も、』
樹「…やっぱ抱きしめられたんだ」
『じゅりくんはめたの』
樹「うん、あいつなら帰らないでって止めてそうだなと思って?」
『エスパーすぎるよ』
樹「はっ笑そんなAちゃんはすぐ表情にでて素直すぎるね」
私の右頬を優しくつねるとぐにぐに〜と遊んでくる。
『じゅりくんいひゃい』
樹「可愛い笑」
『あのね、ほくとはすごくいい人。最初は怖かったし苦手意識あったけど親切で可愛いところもあって、友達になれたことが嬉しかった。』
樹「うん」
『でも、、もし本当にほくとが私に好意を向けてくれていたとして、これから彼に付き添っていくのはやっぱり無理だと思った。』
樹「…、」
『アイドルなんて以前の問題。彼はきっと私を変えてくれる人、でも近くにいればいるほど私が彼を悪い方向へ変えてしまう。彼は自分をなくす。だからダメなの。気持ちを伝えられたあとの関係も怖いし、またみんなでご飯って言われたけど、答え曖昧にしちゃった。』
樹「そっか、お前の考えてる事は分かったよ。」
『じゅりくん、やっぱり恋愛なんて私には、』
樹「…なぁ、俺はAを救えてるの?」
『え、』
樹「俺がそばにいる意味はあるの?」
『じゅりくん、』
樹「俺はAのなに?」
こんな切なそうなじゅりくんを初めて見た。
彼の瞳は揺れていて、キラキラと光る。
でもどこか、その瞳の奥では私を捉えたまま逃がさない、そんな感じがした。
『じゅりくんは、私にとって、、』
樹「…まあ答えなんてすぐ見つかんねーよな、」
『…、』
樹「焦らせてごめんな、不安だったから。俺のせいでまたAが違う道に行ってしまうかもって。」
『じゅりくん…』
樹「今日は寝よ、おやすみ」
『…うん、おやすみ』
暗闇の中、静かに目を閉じた。
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Jxrx(プロフ) - PaSOさん» はじめまして、作品を読んでくださりありがとうございます!!今後の展開がどうなるのか、関係性は変化するのか、色々な場面に注目して読んでいただけると嬉しいです!!今後とも宜しくお願い致します。 (2020年4月27日 23時) (レス) id: 9172c61fbe (このIDを非表示/違反報告)
PaSO(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読んでます。ここからどんどん関係性やそれぞれに対する想いが顕在化してくる予感がしています。お身体に気をつけて更新頑張ってくださいね。楽しみにしています! (2020年4月26日 15時) (レス) id: 842be9d369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Jxrx | 作成日時:2020年4月4日 3時