□ ページ34
・
鍵が開く音、じゅりくん帰ってきた。なんてちょっと新婚さん気分。
あれから気が散る中、シチューを作ったわたし。
お風呂も沸かして完璧な状態でじゅりくんを迎えた。
樹「たーーだいま」
『おかえりなさい』
樹「うぁー、マジ疲れた」
『あれ、今日仕事だったの?』
樹「実はそうだったんだよね、今日7時起き笑」
『え、ほぼ寝れてないじゃん』
樹「そー、だからAんち来て疲れを癒してもらおうと思って」
『ふふ、お風呂も沸かしてあるよ』
樹「さすが」
と言って頭にぽんっと手を置く。
樹「お前も無理すんなよ?てか、めっちゃいい匂い!」
『今日はねーシチューを作りました』
樹「マジでAいないと俺飯食えねぇから嬉しい」
『生きるために必要だもんね?』
樹「そ、生きるために必要笑」
言葉一つ一つが優しい。
以前じゅりくんに1回だけ言われたことがある。
完璧にこだわるな、失敗するのが人間だ、無理しすぎなくていい、お前のペースでやればいい、と。
それから今まで追い込んできた自分にも少し優しくできるようになった。
未だに完璧を求めてしまうのは仕方がないけど、自分のペースを理解し、自然に身を任せることが出来るようになったんだ。
じゅりくんのおかげで。
だからわたしは彼を信じてる。彼は私を救ってくれた1番の人間だから。
樹「じゃ風呂入ってくんね」
『うん待ってるね』
樹「…てか、お前今日化粧してんの?」
『え?』
ほくとの家から出る時。外を歩くなら、と思い化粧をした。
普段家にいる時はすっぴんで化粧なんてしないから違和感を感じたのか、眉をひそめてこちらを見てきた。
『あ、あのスーパー行ったからさ。軽くね?』
樹「ふーん、」
納得いかなそうな表情でバスルームへ向かう。
…絶対なにか気づいてる、あの顔は。
私はじゅりくんに嘘が付けない、付いてもバレてしまうから。
…出てきたら何か言われるかなぁと小さな覚悟を決めた。
・
954人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Jxrx(プロフ) - PaSOさん» はじめまして、作品を読んでくださりありがとうございます!!今後の展開がどうなるのか、関係性は変化するのか、色々な場面に注目して読んでいただけると嬉しいです!!今後とも宜しくお願い致します。 (2020年4月27日 23時) (レス) id: 9172c61fbe (このIDを非表示/違反報告)
PaSO(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読んでます。ここからどんどん関係性やそれぞれに対する想いが顕在化してくる予感がしています。お身体に気をつけて更新頑張ってくださいね。楽しみにしています! (2020年4月26日 15時) (レス) id: 842be9d369 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Jxrx | 作成日時:2020年4月4日 3時