生姜が好きなヴァンパイアさん【伏黒恵】

4、ヴァンパイアさんのお友達 ページ5

恵と出会って3週間が経った。

新たに分かったことがいくつかある。

それは、恵は読書が好きということ。

ジャンルは実話系の…ノンフィクションのやつ。

あとは、パプリカが苦手。

甘いおかず全般も苦手だった。

でもそれって「ヴァンパイアだから」の苦手ではないらしい。

一人の人間としての弱みだった。

そして今日、もう一人のヴァンパイアと出会う…。

今日から家族たちはもっと美味しい生姜を求めるため、海外に出張となった。

私は2週間ぐらいお店番を頼まれた。

それを聞いた恵君はお店番を手伝ってくれることになった。

夜の畑の見回りに行く時、必ずついてきてくれた。

「今日、俺の友達が生姜を食べに来るんです。」

夜の道を二人で歩きながら恵は言った。

『え⁈そうなの？なんかうれしいなぁ。』

「本当ですか？そいつ、すごい大食いで、ヴァンパイア界では有名な‘宿儺の指,を食べたやつなんです。」

『へーぇ、指を食べたんだ…。どんだけ消化管広いんだろうね。』

そんな他愛のない会話が静かな夜に飛び交う。

「あ、虎杖。」

恵がその友達の名前を呼んだ。

よく見ると細い一本道の反対から恵と同じくらいの年齢の子が走ってきた。

この子が虎杖悠仁。

恵の友達のヴァンパイア。

「あ、伏黒ぉ‼︎久しぶりじゃん、元気してた？」

愛想を振りまいて、ヴァンパイアとは思えない無邪気な笑顔を見せる虎杖。

世の中にはいろんなヴァンパイアがいるもんですね…。

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