スマホを持たないだけなのに。【白布賢二郎】

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白布side



白「スマホ持ってないこと隠してた理由は？」

『みんな持ってて…自分だけ持ってないの恥ずかしい』


そういう事ね。


薄暗い夜道を歩いて10分
女子寮に着いた。


白「じゃあ、おやすみ」

『あ、のさ』



帰ろうと後ろを向いた時に呼び止められた



白「なに」

『明日1日部活？』

白「午前だけ」

『午後から…出かけない？』


まさか誘いが来るとは想定外
驚いて反射的に声が出る


白「はぁ！？」

『嫌ならいいから！！』

白「嫌じゃ…ないけど」

『ほんと！？』




行くとしてもどこへ…
Aのことだから何も考えていないだろ…


『駅前のパン屋とね、噴水公園行きたい！』

白「あ、…わかった」


考えてたことに成長を感じる


『何時にする？』

白「1時。迎えに行くから寮の前で待ってて」

『うん！』




そう言って寮の中へ入っていった
俺も急いで寮へ帰る



白「…明日」





明日のことを考えると自然と笑みがこぼれた



ｶﾞﾁｬ




川「賢二郎、遅かっ…え？」

白「ん？」

川「いや、なんでも…」


いつも通りに太一がノック無しで入ってくる

普段なら怒る場面だが…

今は少し気分がいいようで


白「ゲームしよ」

川「よっしゃ！」

白「お菓子いる？」

川「え、欲しい(なんか優しい…)」

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