スマホを持たないだけなのに。【白布賢二郎】

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白布side





数日後の、放課後


早めに練習が終わり


太一にイライラする内容を伝えたためか

日が経ち、あいつを避け続けたためか

トスはあまり乱れずに練習がおわった



太一が先帰ってしまったので

1人で着替えて部室棟の外に出た時





箒で庭を掃きながら

帰る生徒に笑顔で挨拶を交わすあいつがいた



『シラス』

白「…」



無言で通り過ぎようとしたとき



『待って！』


ﾊﾟｼｯ


白「ｯ！」




腕を掴まれた

驚いてAの顔を見ると


白「…ぁ」



泣きそうな

なんとも苦しそうな顔をしていた


幸せものがそんな顔すんじゃねぇよ


白「っ！」



勢いよく手を振り払い歩き出した



『ちょっとこっち来て』



制服を掴まれて引っ張られてきたのは校舎裏




『なんで避けるの』

白「お前、瀬見さんと付き合ってんだろ」

『はぇ？』

白「俺いたら邪魔じゃ…『バカ賢二郎』

…は？」

『付き合ってないよ』

白「俺見たから、お前がずっと前からって…」





そう言うと顔を赤くして





『それは…言えない…』


それが無性に腹が立って


ﾄﾞﾝｯ


Aの肩を掴んで、壁に押し当てる



白「だったら、嘘つくんじゃねぇよ。だいたいお前いつも都合が悪くなったらそうやって俯いて赤くなって、はっきりいえばいいのになんで言わねぇの！！何が言えないんだよ！俺が知っちゃいけないことなのか？なぁ？？！」



ﾊｧｯ…ﾊｧｯ…





息が切れる


顔も見えない。きっと俺は今ひどい顔してる



白「もう俺に近づかないで」



止まれ




白「俺に関わらないで」



俺、今最低だ




あいつの肩がふるふると震えている




白「ごめ、…俺帰る」



もう、最悪。

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