幕間：カルティック・ゾルディック ページ30
｢は〜。｣
｢最近、ずっとそんな感じねカルトちゃん。…なにかあったの?｣
心配性のお母様に僕は首を横に振って答える。
するとお母様は少し安心したらしく、ボクの頭を撫でた。
｢それなら良かったわ。｣
｢ありがとう。｣
"それじゃあ私はもう行くわね"とお母様は屋敷の方へ踵を返す。
僕も後で帰ると伝えると、お昼すぎの散歩を1人で継続することにした。
キルア兄さんが奴らの元へ行ってしまってから数日。
"彼女"の後ろ姿も僕の脳裏に未だ残っていて、僕はそれを思い出す度に｢変なやつだったなぁ｣と思う。
友達。
彼女は僕を｢友達｣だと言ったけど、暗殺一家に生きる僕にとって、家族以外の大切な人は今の所ほぼ皆無、と言って構わないだろう。
風で髪が揺れて、視界にチラチラと入ってくる。
鬱陶しいなぁ、と思いながら僕はそれらを払わずにいた。
｢ヨークシンねぇ。A、死ななきゃ良いけど。…いや、どっちだっていいか。｣
世界最大規模のオークションが行われるとおじい様はおっしゃっていた。
知り合いに導かれて、彼女はそのヨークシンに行くのだろう。
だけど僕は、彼女を一目見たときから、僕の方が力も強く、暗殺のセンスもあると確信していた。
そんな彼女が今のままでヨークシンに行くなんて、田舎者がネオン街の路地裏にふらふら入っていくようなものだ。
彼女もその仲間達、もっと言えばキルア兄さんも、ゾルディック家に来た時から波乱をずっと呼んでいたのだから、ヨークシンでもまたなにかあるんだろう、と僕の勘が告げている。
＿友達ねぇ。そんなもの意味あるのかな。
そんなものが僕になにか見返りをくれるとは到底思えないのだけれど。
彼女を馬鹿にしているんだか呆れているんだか分からないような溜息が出て、僕は少し笑ってみた。
｢…まぁ、また今度会った時まで生きてたら褒めてあげようか。ちゃんと成長するのかな。｣
僕も他人にばかり構ってはいられない。
自分はもっと強くなれるのだ。
そんな事を戯れに考えながら、扇子と裾を翻す。
そうして僕は庭を立ち去った。
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なぎテラス(プロフ) - ひなさん» お久しぶりです!!かなり期間の空いた更新となってしまいましたがそう言っていただけて有難いです…!リアルの都合もあって更新はのんびりかもしれませんが、本当に嬉しいコメントでした〜!!良いお年を!! (2021年12月31日 17時) (
レス) id: d905f406c4 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - わ〜〜い！！！続きずっと待ってました(*´∀`) カルトちゃん視点新鮮で好きです...！ いつもお忙しい中更新してくださってありがとうございます`ω´ ずっと応援していますので無理せず頑張ってください...！(長文失礼しました) (2021年12月30日 23時) (レス) @page30 id: 88d9ed8815 (このIDを非表示/違反報告)
なぎテラス(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます~!!好きな作品と言って頂いて、やる気が満ち溢れております。マイペースではございますが、これからもゆっくり読んでくれたら嬉しいです! (2021年8月13日 8時) (レス) id: d905f406c4 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - お気に入り100おめでとうございます...！！ 自分の好きな作品がこうしてたくさんの人に読まれてとても嬉しいです(//´ω`//) 続きを全力待機...！(( (2021年8月3日 22時) (レス) id: 88d9ed8815 (このIDを非表示/違反報告)
なぎテラス(プロフ) - コメントありがとうございます!!私もクラピカ最推しです…!暖かい応援頂いて、とても励みになりました。頑張って書きますね!! (2021年7月3日 7時) (レス) id: 92777b1f7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぎテラス | 作成日時：2021年3月14日 18時
