°６０ ページ16
｢鼠が入り込んだと思ったら…やっぱりお前か。｣
ギタラクルが無表情に口を開いた。
彼は私の首に爪を当て、脅すように私を見下ろす。それは獲物を睨む蛇みたいで。
｢…あの。何しに来たの?｣
｢お前が家を嗅ぎ回ってるみたいだったからね。警告しに来た。｣
…発言に違和感を感じて、私は首を傾げた。
今の行動、それにこの殺気を見れば、今すぐ私は殺されそうなのだけど。
｢警告?殺さないの?｣
｢殺してほしい?｣
｢ううん、そういう訳じゃないけど。｣
彼の"殺す"という言葉は、キルアよりも重々しさがあって、背筋が凍るような気がする。
＿けれど、どうして殺さないんだろう。
私が頭を巡らせると、その鋭い観察眼で察したのかギタラクルが言った。
｢…ヒソカだよ。
ヒソカが居るから、お前を殺すと面倒なんだ。確か、最終試験の時も言ったよね。｣
そういえば、と思い出す。
ヒソカの件は初耳だけど、私が最終試験で怒鳴った時、彼は同じ事を言っていた。
場の雰囲気で有耶無耶になってしまっていたけれど、確かに。
｢ヒソカが私に?…そこは初めて聞いた。｣
｢言う必要がないからね。｣
それ以上の事は言うつもりがないのか、彼はそれだけ吐き捨てると口を閉じた。
代わりに私が口を開く。
｢ギタラクル。貴方はキルアに会ったの?｣
｢それを聞いてお前はどうする?もうキルは戻ってきた、関係ないだろう。｣
｢＿あのね、私達キルアを連れ返すの諦めてないよ。｣
キルアの名前を出すと、カルトの時と一緒で場の空気が張り詰める。
ギタラクルは是が非でも私達を追い返すつもりみたいで、ポーカーフェイスが僅かに歪んだ。
｢何それ、宣戦布告?｣
｢どっちかって言えば決意表明、みたいな。｣
彼は"ふぅん"とだけ呟くと、心底私を馬鹿にしているのか腕を組んで。
＿ふと、備え付けの電話が鳴った。
ギタラクルはいかにも高そうなその受話器を持ち上げて通話に出る。
｢ああ、うん。…本気で?やだなぁ。｣と返答する彼の言葉を聞いていると、彼にとってあまり喜ばしい話じゃなかったみたい。
｢…うん、分かった。連れていく。｣
そう言って彼は受話器を下げると、くるりと私に振り向いた。
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なぎテラス(プロフ) - ひなさん» お久しぶりです!!かなり期間の空いた更新となってしまいましたがそう言っていただけて有難いです…!リアルの都合もあって更新はのんびりかもしれませんが、本当に嬉しいコメントでした〜!!良いお年を!! (2021年12月31日 17時) (
レス) id: d905f406c4 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - わ〜〜い！！！続きずっと待ってました(*´∀`) カルトちゃん視点新鮮で好きです...！ いつもお忙しい中更新してくださってありがとうございます`ω´ ずっと応援していますので無理せず頑張ってください...！(長文失礼しました) (2021年12月30日 23時) (レス) @page30 id: 88d9ed8815 (このIDを非表示/違反報告)
なぎテラス(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます~!!好きな作品と言って頂いて、やる気が満ち溢れております。マイペースではございますが、これからもゆっくり読んでくれたら嬉しいです! (2021年8月13日 8時) (レス) id: d905f406c4 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - お気に入り100おめでとうございます...！！ 自分の好きな作品がこうしてたくさんの人に読まれてとても嬉しいです(//´ω`//) 続きを全力待機...！(( (2021年8月3日 22時) (レス) id: 88d9ed8815 (このIDを非表示/違反報告)
なぎテラス(プロフ) - コメントありがとうございます!!私もクラピカ最推しです…!暖かい応援頂いて、とても励みになりました。頑張って書きますね!! (2021年7月3日 7時) (レス) id: 92777b1f7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぎテラス | 作成日時：2021年3月14日 18時
