■緊張解消■ ページ29
台風のような勢いのお母さんが部屋を出て、辺りは水を打ったように静かになった。
静寂の中口を開いたのは、お父さんだった。
父「まあ、なんだ 良さそうな人じゃないか」
『うん、ショッピ良い子だよ』
父「縁があってよかったな、A」
『私もそう思ってる』
私とお父さんが淡々と近況報告やら会話をしている間、ショッピは借りてきた猫のように大人しかった。
緊張からなのか会話に混ざれないからなのか、とても大人しく黙り込んでいた。
流石にちょっと可哀想なので何が一緒に話せる話題はないかと考えていると、台風再来。お母さんが戻ってきた。
母「遅くなってごめんなさいね！はいどうぞ〜」
syp「あっ、ありがとうございます…」
『ありがとお母さん』
母「にしてもほんとにコネちゃんの後輩なの？凄い静かな子ね〜 あ、そうだ！お茶菓子どうぞ！」
syp「ど、どうも…」
『も〜お母さんあんまりグイグイ来ないであげてよ』
母「だって〜！Aが彼氏なんて連れてきたの初めてだから盛り上がっちゃって！ね！お父さん！」
父「だからといってここまで騒ぐな、落ち着きのない…」
二人のやり取りを見て、ショッピは私の肩を軽く叩いた。
緊張も解れて話する余裕も出たのかな、と思って耳を傾けると笑いを含んだ声で話し掛けてきた。
syp「Aって、意外とお父さん似やったんやね」
『そう？』
syp「うん 凄く落ち着いてて冷静なとこがそっくり」
『ふふ、そっか でもよかった、ショッピの表情柔らかくなってきて 緊張、解れた？』
syp「Aがいてくれるから」
『そりゃどうも』
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作者名：ミラ | 作成日時：2020年1月23日 18時
