No.125 ページ42
貴女「んん……気持ちい〜〜…」
葉には、朝露がついていた。
朝の森は…とっても静か……
ｻﾞｯ…ｻﾞｯ…
思い出を、ゆっくりと思い返すように、……今の時間を、心に刻むように……
私は、ゆっくりと、いつも走り回っていた森を歩いた。
サボに会って、ブルージャムと戦った“不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)”──
ルフィを助けた、ポルシェーミのアジト──
ナグリの海賊船を作った入江──
イオリと行った、ルナミーネさんの秘密基地──
夢を誓いあって、……手紙を読んで、泣き叫んだ海──
きょうだいの盃を交わした切り株──
そして
.
私達だけの、秘密基地───
.
ｷﾞｼ…
私は、秘密基地の中に数年ぶりに入った。
懐かしい……
ここから、海が見えて……
舵を着けて……
遊んだよね…
ﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻ…
私達の海賊旗(ジョリーロジャー)も、まだついている。
ここからは、フーシャ村も、コルボ山も、“不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)”も、ゴア王国も見える──
ｶﾗﾝ…
私は、秘密基地の木の根本に、今まで使ってきた鉄パイプを置いた。
…そこには、すでに、サボの鉄パイプを置いていた。
……この山にいたのは、10年……か…
ｻﾞｯ……
貴女「！…エース……」
エース「よ」
ｶﾗﾝ
エースも、鉄パイプを置いた。
エース「へへ、考える事は、同じだな」ﾆｯ
貴女「ふふ、そうだね」
.
.
貴女・エース「……行ってきます…」
くる…
私達は、同時に後ろを向き、同時に一歩目を出した。
私達は、夢に向かって……今日、海へと、踏み出す──
.
.
.
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作者名：シルネ | 作成日時：2018年6月30日 12時
