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ヨナ「こら!ガキども押すなよ!こっちは水が入ったバケツ持ってんだよ!」
子供A「わーいわーい花火だ!」
子供B「楽しみだね!」
バンタン病院の屋上でいよいよ花火をやる。ヨナは水が入ったバケツを。テヒョンは花火がたくさん入った袋を。私はユンギと言う片足に包帯巻いている男の子を膝に載せて車椅子を動かしていた。
ユンギ「お姉ちゃん、僕…重くない?」
「そんなことないよ?軽い軽い!」
ユンギ「でも…僕…。やっぱり僕、松葉杖で歩くよ!」
そう言い降りようとするが軽々とテヒョンが彼を抱っこした。
ユンギ「うわ!お兄ちゃん僕大丈夫だよ!」
テテ「黙れ。」
ユンギ「…はい…」
ユンギは私の目を見て助けを求めていたことに少しだけ笑えてきたがあえて気づいてない振りをする。
ユンギは最近入院してきた男の子だ。どこか悪い訳じゃないし、ずっといる訳じゃない。足の骨折だ。家の階段から落ちて足の骨を折ったそうだ。なんと言う災難。だけどいつかは治るし、いつかは退院する。そんな彼が少しだけ羨ましかった。
どこで知り合ったかと言うと、同じ部屋に越してきたのだ。その時は私は気にしてなかったけど、ふとしたときにユンギの顔が私の目に写ったのだ。ユンギは宿題とにらめっこしていたので、思わず声をかけてしまったのだ。そこから彼とは仲良くなり。いつも「お姉ちゃんお姉ちゃん!この文字の意味教えて!」っと言ってくるのだ。
屋上につき、テヒョンはユンギを降ろし、私は車椅子に引っ掻けてあった松葉杖を渡す。
「子供達の所へ言っておいで。」
私がそう言うとユンギは「うん!」と言って子供達とヨナの方へ向かった。
ユンギ「僕も混ぜて!」
子供達「いいよ!」
ヨナ「こら!!ガキどもなにがいいよだ!大人しくしやがれ!」
子供C「おばさんの言うことなんか聞くもんか!」
ヨナ「なんだとクソガキ!!もういっぺん言ってみろ!花火させないぞ!」
彼女は子供達とワイワイしながら楽しそうに遊んでいた。それを見送りながらテヒョンと話す。
「楽しそうね」
テヒョン「あぁ…」
テヒョンは相変わらず何も喋らない。最初は何喋ろうか迷ったけど今はもうすっかり慣れてしまった。
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作者名:マリモ | 作成日時:2021年12月3日 21時