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いつの間にか私は寝ていたのか、何かが戻ってくる物を感じ、目が覚める。
「ぶはっ…」
ゴミ箱を掴みきれず、私はベッドのシーツを汚す。
私は絶句をする。これが服反応だと。
震える手でナースコールのボタンを押す。
強く…強く、ボタンを押す。
新人看護師「どうされました?……!!!だ、大丈夫ですか!!」
新人なのだろうか、看護師は慌てたようにナースを呼びに行く。私は吐き気が治まらなくそれどころではなかった。
何時間たっただろうか。いや、何時間も経っていないだろう。
廊下から慌ただしい音と何かを持ってくる音が聞こえ始めた。
看護師「はい。Aさ〜ん。袋持ってきたから落ち着くまでこれ使おうか〜」
ベテランとさっきの新人、そして先生までも一緒に来ていた。
先生「ちょっと心臓の音聞かせてね。」
その後のことなんて何も覚えていなかった。
気づいたら朝を迎えていて、チュンチュンと小鳥の鳴く声が聞こえてきた。
起き上がる気力もない。気持ち悪さがまだ残っている、全体を集中しないと、また嘔吐する可能性がある。
ホントに気持ち悪い…何も食べれない。
これが癌の恐怖か…
よくテレビでやっていた。
私の頭の中の石や9月のクリスマスなど、映画でしか見たことなかった。
健康の人達はそれを見て感じることは、可哀想、泣ける、痛そうなど、そんなことしか考えていなかっただろう。
私もそうだったから。お菓子を食べながら可哀想だなぁ…なんて思ってただけだった…
病室にお母さんがやってきた。
母「A…?」
お母さんは、私の大好きな果物と綺麗な水色が特徴のハーバリウムを持って病室に入る。
母「!!………何か食べたいものはある?」
お母さんは私の少し衰弱した私を見て、震えた声で聞く。
「林檎ジュースが飲みたい……。」
食べることなんてできない。
私は口にできるものは飲み物ぐらいしか出来なかった。
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作者名:マリモ | 作成日時:2021年12月3日 21時