21 ヨナ編 ページ22
ヨナ「うっ……ひっく……ひっく」
私は病院の中にある大きな木の下で一人ベンチに座って泣いていた。
[酷すぎる…Aのお義母さん達は何を考えているの…]
辛いのはAなのに…
なのに…なんで…黙っているの…?
私は空を見上げる。
そこには木の葉っぱから漏れる光で、つまり天気は快晴でそれが私にとってムカついて、また涙が出る。
ヨナ「馬鹿!!!なんでAなんだよ!!」
私はベンチから立ち上がり小さな石を手に持ち近くにあった池に投下させる。
ゆらゆら揺れ映る私の姿は何処か悲しそうに写っている。
私たちが知り合ったのは幼稚園の頃。
入学式で偶然私たちの親達が喋りだしたのがきっかけだった。
私の母はどんくさくて、方向音痴で、人見知りの性格だった。
それが、私にも遺伝したのか昔人見知りをする女の子だったんだ。
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過去編
ヨナ母「あら、やだ。どっちかしら。この図見にくいわ…」
そう言い母は幼稚園から貰ったパンフレットを逆にしたり縦横にしたりいろんな見方で歩いていく。
ヨナ母「もう体育館って何処よ。ねぇ?ヨナ、お母さん道分からないわー…どーしましょう……」
ヨナ「ママ?」
?「なにかお困りですか?」
私たちはその声がする方向へと向く。
そこには綺麗な人が綺麗な女の子を連れて歩いてきた。
私は魅了させられた。母親譲りなのか髪の毛は茶色で、天パが掛かったようような髪質。
ヨナ母「体育館を探してまして…。」
母「では、ご一緒に行きましょう。私達も入学式の為体育館に行きます。」
ヨナ母「あっ!ほんとです??!是非お願いします!」
親たちは話が弾んだのか一緒に体育館まで歩く。
「おはよう」
ヨナ「えっ…」
「貴方のお名前は?」
ヨナ「……ヨナ……」
「ヨナ?」
ヨナ「うん…」
私はもじもじしながら返事をする。
「ヨナちゃん!行こ!!」
そう言って私の左手をつかみ親の方へと走り出す。
これが私たちの出会いでもあって私の初めての友達だった。
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作者名:マリモ | 作成日時:2021年12月3日 21時