Lost 42 ページ13
正門は相当、寝不足だったらしい。
俺らが保健室に戻った時には、
ぐっすりと夢の中にいた。
まだもう少し、寝かせといてやろう。
そう思い、俺らは時間が許す限り
保健教諭と雑談を交えつつ
正門が目覚めるのを待った。
正門｢……2人共、ほんまごめんな。
だいぶ帰り遅くなっちゃったな｣
末澤｢えぇよ、俺は暇やから｣
佐野｢僕も。用事ないですし｣
正門｢ありがとうな｣
日の傾く時間が更に早くなり、
辺りはすっかり薄暗い闇に
包まれてしまっていた。
佐野｢ちょっと待っててくださいね｣
末澤｢おん、悪いな｣
佐野｢すぐメモして戻って来ます｣
空き教室で佐野と話した際に
頼んでいた裏サイトのURL。
俺と正門は帰路へと就く前に
佐野の家まで立ち寄り、
メモに書いてもらうことにした。
正門｢……佐野の話、ほんまかな｣
末澤｢今は信じるしかないな｣
正門｢………でも、言いにくいけど｣
末澤｢俺は結局消えるかもしれん。
……って、言いたいんやろ？｣
正門｢………うん。ごめん｣
末澤｢えぇよ。覚悟はしとる｣
ここへ来るまでの間に、
俺と佐野は正門に全てを話した。
正門は俺と同じ事を考えたようだ。
みんなが戻ってきたとしても、
俺が消えない確証はない事を。
末澤｢今こんな状況になってて、
俺は消えへんなんて胸張って言えん｣
正門｢………消えんといてや、誠也くん｣
末澤｢俺だって同じこと思っとる。
お前にも、佐野にも、Aにも。
ずっと、ここにおってほしい。
やから、そうなるためには………｣
俺はその先の言葉を出しかけて、
でも、口に出す事が出来なくて。
天を仰いでみるしかなかった。
正門｢………その先の言葉、言わんでな｣
末澤｢何言おうとしたか分かったん？｣
正門｢うん、分かる｣
━━━俺が消えたら、解決や。
頭の中では、しっかり分かっている。
けど、いざそうなると考えたら
やっぱりめちゃくちゃ怖いねん。
佐野｢お待たせしました｣
末澤｢……お、ありがとな｣
佐野｢誠也くん………泣いてません？｣
末澤｢泣いてへんわ。風が冷たくて
ちょっと目が痛かっただけや｣
佐野｢………そですか。あ、これ｣
俺は佐野からメモを受け取った。
少しでも情報を探してみせる。
大切な仲間と過ごす生活を、
もう一度取り戻すために。
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ゆい(プロフ) - もう更新はしないんですか？？？ (2021年3月17日 1時) (
レス) id: 1ca1725196 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぷりん - このお話ほんとに面白いです(*≧∀≦*)ハラハラしながら読んでます。無理しないで頑張ってください！更新待ってます！ (2020年3月5日 8時) (レス) id: 39651266d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか - 更新待ってます！ (2020年2月21日 22時) (レス) id: 6f297082fe (このIDを非表示/違反報告)
なにふぁむみ☆ - あ、元みぃ☆です (2019年12月25日 22時) (レス) id: bd60e02c69 (このIDを非表示/違反報告)
なにふぁむみ☆ - 大変ですね…。ずっと待ってるので、頑張ってください！ (2019年12月25日 22時) (レス) id: bd60e02c69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Sakura | 作成日時：2019年10月24日 22時
